『お江戸風流さんぽ道』

杉浦日向子さんの本を久しぶりに。江戸時代のことって、知っているようで知らないことが、まだまだたくさんあるなぁと、至極当然のことを、日向子さんの本を読むたびに感じる。
今朝も「花見」についての項目を読んでいて「上方の花見は、深山に分け入って1本の桜を愛でる」というのに、なるほど〜!と。お謡でお稽古した「吉野天人」や「義経千本桜」などは、1本を愛でるわけではないにしても、吉野の山奥の桜を描いているという点では、「上方的」だということだな、と思い当たる。お江戸の花見は墨堤や上野のお山を代表とする、近場の人工的に植えられた桜を愛でるというのは、落語などでお馴染み。現代人のお花見はお江戸の風俗を引き継いだものが一般的になったのかぁ。

お江戸風流さんぽ道 (小学館文庫)

お江戸風流さんぽ道 (小学館文庫)