「仮名手本忠臣蔵」Cプロ・Dプロ@平成中村座

今日は、平成中村座のCプロ・Dプロを通しで。Cプロは、大序・二段目・三段目・八段目・九段目が上演され、仁左衛門さんが加古川本蔵、勘三郎さんが戸無瀬、勘太郎くんが判官と力弥、七之助くんが小浪、彌十郎さんの師直といった配役。加古川本蔵の物語に焦点を当てた、と感じられる番組だった。二段目は、初めて見たかも? 仁左衛門さんの本蔵は、主君を思い、娘を思い、という人間味あふれる本蔵で、特に松の廊下で判官を抱きとめるところ、九段目の腹を切ってからがすばらしかった。Dプロの幕間で、偶然出会ったお友達と「本蔵って、あんないい役だったんだねぇ〜」と言い合った。
勘太郎くんの判官もとてもよかったし、七之助くんの小浪もきれいで、乙女の一途さがあって、よかった。以前に比べて顔がちょっとふっくらとしてきたもの、よい方向に作用しているのか?
そして、彌十郎さんの師直が、イヤらしくてイジワルで、すばらしい! いやはや、AプロよりわたしはCプロの方が好きかも・・・。
九段目には、小山三さんがおりんで登場! あんな段差の大きいところをスタスタと上り下りなさるところを拝見して、まだまだお元気で嬉しい。小山三さんの六段目おかや、見たいなぁ・・・。もうムリかなぁ?
Dプロは五段目・六段目・七段目の上演。こちらは、勘太郎くんと七之助くんがそれぞれ大役に、まさに体当たりで挑戦し、それを勘三郎さん、仁左衛門さんをはじめとするみなさんがもり立てているという感じ。
勘太郎くんの六段目の勘平、七段目の平右衛門がすばらしい! 七之助くんのお軽もとてもよかった。歌舞伎座の通しで見た仁・玉コンビの七段目を、個人的には超える七段目だった。
六段目の二人侍には、なんと仁左衛門さんが亀ちゃんを従えて登場。お手本となる不破を見せていただいた。与市兵衛住家から立ち去る前、勘平に何事か言葉をかけていらっしゃったのだけれど、その姿からは、とても温かい気持ちが伝わってきた。おかやは、Bプロの方よりもDプロの役者さんの方が、個人的には好みに合う。おかやの心理の移り変わりが、今日の方がよく出ていて、ともするとイヤなおばあさんに感じてしまうのだけれど、今日のおかやさんには、最後にイヤな感じを抱かなかった。
そして、この幕のもう一組のごちそうが、判人源六の勘三郎さんと、一文字屋お才の孝太郎さん。孝太郎さんは、実にはわたしはこっちの方がよかったかも・・・(^_^;)
五段目の定九郎は彌十郎さん。カッコよかった〜! 七段目の力弥は、鶴松くん。きれいな若衆ぶりが好印象。Dプロは、時間の都合がつけば、もう一度見たいけれど、もうムリだろうなぁ・・・。
途中で、客席に久里子さんらしき女性を発見したら、幕間にお友達とおしゃべりしているところに、ご本人が登場! やっぱりそうだったんだわ、と。お友達のお連れの方が親しいらしく、しばし間近でお話を伺うことができたのは、ラッキーだった。本当に、お芝居がお好きなんだなぁというのが、短い時間だったけれど、ヒシヒシと伝わってきた。