12月文楽公演@国立劇場小劇場

「源平布引滝」の二段目、三段目の上演。9月の花形歌舞伎で、見たばかりなので、歌舞伎と文楽の違いにあれこれ気づく。花形歌舞伎では、歌舞伎としては珍しく琵琶湖遊覧がでて、「なるほど、こういういきさつがあって、小まんの腕が切り落とされたのねぇ〜」というのを、目で確かめることができたのだが、文楽だと、実盛が腕を切り落とすまでの物語の運びが、より詳しくなっているのであった。そういう点は、他にもいろいろとあって、歌舞伎より物語の筋はわかりやすい。ただし、役者がこの通りに演じて、文楽と同じような効果を上げることができるか、というと、それはまた別の話だと思うので、その点についての善し悪しということではない。
今月は、中堅・若手の公演(国宝はどなたもいらしてない)で、その中では、文字久大夫さんがいいなぁ〜と思った。言葉を伝えるということと、義太夫の節がちゃんとリンクしているという風に感じられた。三味線は、錦糸さんはもちろんのこと、燕三さんがバリバリに弾いていて「カッコイイ!」。人形では、勘十郎さんはもちろんだけど、実盛の玉女さん、小まんの和生さん、瀬尾の玉輝さんが特によかった。
それにしても、このところ座席環境に恵まれないことが続いている・・・。今日、わたしの前の席のおばさまは、もともと大柄らしいのだけれど、その上前屈みっぽくて、途中で疲れると小さくなるので、ずっと「おばさん、疲れてくれ!」と思ってしまったよ・・・。