幸圓次郎追善能@国立能楽堂

朝10時開始の会。そりゃそうだよな、この番組だもの・・・。お能が「朝長」殲法、「三輪」白式神神楽、「道成寺」で、その間に舞囃子やら一調やらがあれこれ。休憩2回各10分ということで、昼ごはんを調達してから行くべきだった。
「朝長」懺法は、初めて。普通の?「朝長」は去年、銕仙会定期公演で見たけれど、懺法は滅多に出ないものらしいので、いつか見てみたいなぁ〜と思っていたのだった。今回は、金春国和さまが太鼓方を勤められたが、当然、肝心要のところの後見には惣右衛門先生が登場(それ以外のところは国直さんが座っていらした)。入り口を入ったところで注意書きが配られていて「一曲終わって囃子方が引くときに、最後に太鼓方だけが残って、調べをいたしますので、それが終わるまで、席を立ったり拍手したりしないで見ていてね」というものだった。曲中の太鼓の演奏が終わったところで、惣右衛門先生は切戸口から入られ、国直さんが再度登場。太鼓の調緒を締めなおし始める。横調べを一旦全部外して、立調べも締めなおすのねぇ〜、とお能そっちのけで、太鼓を見てしまった(^_^;) 脇正面でよかった(って、趣旨が違ってる気もするが)。懺法の太鼓は、うーんなんかの音に似てるなぁ〜と思いつつ、それが何なのかが思い出せず。番組(普通、切符を切るところで配るので注意書きしかくれなかったから、ないのかと思ったら、入り口を入ってすぐの主催者受付にあったというのを、最初の休憩の時に知った・・・)を読むと、圓次郎さんへの追善の意味でこの曲を選んだとのこと。なるほどね。
最初の10分の休憩だけではトイレしか行けず、次の一調などを諦めて、食堂で柿の葉すしを食べる。2個しか乗っかってなかったが(400円だから、しょうがないね)、何も食べないよりはよかろうということで(猫舌なので、麺類は時間がかかって、ムリ)。
食べ物を入れたせいか、なんなのか「三輪」は撃沈。閑先生と万作さんの出てくるところはバッチリ見たけど・・・。
一調では、やはり浅見さんの「勧進帳」がよかった。
最後は、いよいよ銕之丞先生の「道成寺」。お能道成寺を見るのは実に、ウン十年ぶり! 鐘を吊るところとか、記憶があんまりなかったので「そうか、こうするんだっけ・・・」と思いながら見ていた。乱拍子とか急の舞とか、やっぱりぜんぜん違うよなぁ〜、烏帽子を取るところも、取るというよりは払いのけるって感じだし。鐘が落ちる時のスリルも、歌舞伎にはないよねぇ。歌舞伎の「道成寺」も好きだけど、お能の「道成寺」のスリリングな感じもいいなぁ。
今回は、小鼓の方のお披きだそうで、まだ初々しい若者が先輩の胸を借りるっていう感じであったが、お道具がよく鳴っていて、掛け声もがんばっていたし、機会があればまた拝見したい方だなと思った。
今回、小鼓方が主催の会だったので、全員同じ流儀の方が小鼓を打っていらしたわけだが、なるほど大倉流と構えとか打つ角度とかが違うんだなぁ〜というのを、これまた脇正面からだったのでわかって、これも収穫。