『作者の家 第二部』

まだ半分ぐらい残っていると思ったのだが、案外サクサクと読み進み、読了。河竹糸女の女丈夫ぶりに、やはり圧倒されるとともに、その母に仕え、病弱な家族を支え、数多くの仕事を成し遂げた河竹繁俊という方のスーパーマンぶりを知る。
早稲田の演劇博物館も、国立劇場も、この方なくしてはできなかっただろう。「狂言作者」の家は、たしかに黙阿弥で絶えてしまったのかもしれないが、歌舞伎を支える、という意味では河竹家はその役割をしっかり受け継いでいると言えるだろう。
糸女や若き日の繁俊氏のきものの好みなどの描写を読むと、明治人の日常のきものがうっすらと見えてきて、それもまた興味深い。