『狂言じゃ、狂言じゃ!』

予定が急に変わって、急遽、歌舞伎座幕見に参戦。しかし、出遅れたため「毛抜」はあとちょっとのところで、入れず・・・。三津五郎さま、ごめんなさい。で、待ち時間にしっかり読書。
千之丞さんのお舞台は、たぶん2、3回しか拝見したことがないような気がするが、「船弁慶」のアイ狂言でのお姿がとても印象に残っている。
東京でのお稽古場がわれわれと同じなので、たまーにお稽古に伺うと、千之丞さんのお声がほかのお稽古場から漏れ聞こえてきて「ラッキー!」なんていうことも。
千之丞さんは、狂言だけでなくオペラや演劇の演出にも携わったことがあり、ホールでの狂言上演の場合は、能楽堂とは違った演出を採用されるなど、幅広い活動をされている。
なので、この本に書かれた演出論や作品解釈にも、そうした面が多く感じられる。
狂言をあまり見たことのない人にもわかりやすく、という意図で書かれた本(だけど、「入門」書ではなく「出門」書なのだと書いておられるが)なので、これから狂言を見てみようかな?と思っている方にも、読みやすいのではないだろうか?

狂言じゃ、狂言じゃ! (文春文庫)

狂言じゃ、狂言じゃ! (文春文庫)