顔見世大歌舞伎@歌舞伎座

忠臣蔵」の通しだから、こちらも通しで拝見!という暴挙に。しかも、昼は3階のてっぺんの方、夜は1階の後ろの方という脈絡のない席とり。いや、出遅れたので残り物から選んだら、こうなっただけなんだけど。
忠臣蔵」の昼の部は、特に男たちのドラマで、顔世さんと道行のお軽ぐらいしか女性は登場しない。男くささ満載、しかも儀式的な色合いの濃い場面が続くのだけれど、忘れたころにちょっと笑える「エヘン、バッサリ」が出てきたりして、よく考えられていると思う。
そもそも、大序の開幕前に口上人形を出すのを残してくれた人に「ありがとう!」と言いたい。これから始まる長い長い物語への期待感を盛り上げ、大序の幕開きの荘重な空気を引き立てる、絶妙の演出だと思う。これを見ると「ああ、忠臣蔵だよ!」とワクワクするのだ。そして、47の柝のキザミとともにしずしずと引かれる幕、
板付の人たちがみんな人形のように首を垂れて、役の生命を吹き込まれるのを待っている様、ああいいなぁと毎回思う。
今回は、富十郎さんの師直、勘三郎さんの判官、菊五郎さんの勘平、時蔵さんのお軽(道行と五・六段目)、仁左さまの由良之助(七・十一段目)と、大変贅沢な配役で、おそらく今の歌舞伎座では最後となるであろう「忠臣蔵」を堪能した。あー、できることなら、時蔵さんのお軽は七段目もそのまま・・・(以下略w)。