パーティーと文楽
今月の文楽二部の「桂川連理柵」の「帯屋の段」で、嶋大夫さんにヤラれた! こういう滑稽味が必要なところは、嶋さんの語りがやはり好きだ。深刻な場面だと、ちょっとクサいかな?と感じるアクションも、滑稽味のある場面だとピタっと来る。
「桂川」は、文字久大夫さんもよかった。
そして、死を決意したお半が帯屋の門口に残した下駄が、とても印象的だった。簑助さんのお半ちゃん、可愛かった、そして、意地悪な後妻さん、丁稚の長吉といった敵役の皆さんが、物語を盛り上げていて、お芝居でも人形浄瑠璃でも、主役だけじゃなくて、周囲を固める人たちも大切だな、ということを改めて感じた。
「勢州阿漕浦」は、住大夫さんの調子がとても低く感じられて、かなり驚いた。語りが進んでいくあいだに、そんなことは気にならなくなったので、わたしの気のせいだったのかもしれないけれど。5月のときに比べると、住大夫さんの体調は悪くなさそうで、よかった。もう一度、千穐楽に文楽には行く予定なので、ちょっと安心した。
昼は、鈴々舎わか馬改め五代柳家小せんさんの真打ち昇進と襲名披露のパーティーに出席。
一門のカラーで、パーティーの進行や雰囲気が違うんだな、というのを改めて感じた。司会がロケット団、乾杯の音頭がのいる・こいるさん、ご本人の締めの挨拶の前に、師匠のおかみさんの挨拶があり、お話がお上手なのに、びっくり。THE芸人のおかみさんっていう感じだ。
余興で登場した、二人組の音楽漫談?の方も、ライブで見たらぜったい受ける!だったし、太神楽・翁家和楽社中のみなさんの獅子舞もよかった。
みんなの「おめでとー!」な気持ちがひとつになった、とてもいいパーティーで、出席できてよかったな、と心から思った。
一門以外の芸人さんの祝辞も、絶妙のタイミングで遅れて登場した文左衛門さんとそれをネタにイジって盛り上げた喬太郎さん、「呼んでと頼んで押し掛けてきました」と笑いをとっていた小圓歌姉さんをはじめ、面白くて心がこもっていて、よかった。
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国立文楽劇場上演資料集〈13〉雪狐々姿湖.道成寺入相花王.出世景清.桂川連理柵 (1985年)
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