「棒しばり」幕見

今年も納涼歌舞伎の季節がやってきた。勘三郎さんに続いて三津五郎さままでが旅立たれたという喪失感に加えて、番組的にもどうも萌えないんだよなぁ〜というのが相まって、今年は個人的に盛り上がらないまま初日になってしまった。それでも、みっくんが「棒しばり」を踊るんだから、と幕見に。12時過ぎに東銀座に着くと、幕見席の入り口に「お立ち見です」の表示。夏休みのせいもあるんだろうなぁ。とにかく4階でチケットを購入して(100番台前半だった)、木挽堂さんへ。
前回おじゃました時に話を伺っていた、栗本薫さんのお母様の観劇日記の本(山田涼子『五世中村富十郎 珠玉天王寺屋』)が再入荷していたので、それをいただく。
12時40分頃に4階に戻ると、外国人観光客のグループが結構多い。立ち見の定位置の場所に立つと、案内のお嬢さんが「お一人ですか?でしたら、あちらに1席だけ空いていますので、よろしかったらどうぞ」と教えてくれたので、ありがたく着席することに。
長唄は勝四郎・巳太郎さんチーム、お囃子は劇団と田中社中若手の混成チームといった感じだ。一昨年の初日のあのワクワク感は、やっぱり戻ってこないよなぁ…。3月以来、三津五郎さまで「よかった!!」という演目を見るたびに、とっても哀しくなってしまう(ああ、もう三津五郎さまでは見られないんだ…という気持ちがどうしても湧いてきてしまうため)のだけれど、今回の「棒しばり」も…。一昨年も「ああ、勘三郎さんと踊る棒しばり、もう一度見たかったなぁ」とも思ったけれど、三津五郎さまの次郎冠者が見られるという嬉しさもあったしなぁ。もちろん、みっくんは頑張っているけど、今年、「棒しばり」はまだ見たくなかったかも…。見てわかりやすい踊りなので、場内は盛り上がっていたけれど、どうしても一緒に盛り上がれない哀しさ。まだまだこういう気持ちから抜け出すことはできないんだろうな。