またぜひ聞きたい立川談春さんの独演会(2)

着物と羽織を取り替えて、再度登場。吉原で全盛の花魁・高尾の道中を見ただけで、高尾を自分の嫁にと思い極めてしまう紺屋職人の男の純情と、そのあまりの一途さに、なにくれとなく心配し、力を貸す親方、そして運命の一夜を共にした後、そのまっすぐな心にほだされて、紺屋職人の嫁にしてくれと言う高尾、登場人物はみんな、いい人ばかりだ。たった一度でいいから高尾に逢いたいという思いだけを支えに、寝る間も惜しんで働いた職人の思いが通じて、「年季が明けたら、嫁にしてください」と高尾が言うあたりでは、思わずジーンとしてしまった。

休憩をはさんだ2時間あまり、すっかり談春さんの噺に引き込まれて、時の経つのも忘れてしまった。また、曜日さえ合えば、ぜひ談春さんの独演会を聞きたいと思う。