2003-06-03 ■ 歌舞伎 歌舞伎 松助はここで、若き日の六代目に、いきをつめて私のセリフを受け、ホッと吐き出しながら、「俺もずいぶん太いほうだが、大家さんにはかなわねえ」というように教えた。 いわば、世話狂言の写実のやりとりのあいだにも、用意されている緊密な呼吸を、先輩が伝授したわけである。 戸板康二『すばらしセリフ』(ちくま文庫)「鰹は半分もらってゆくよ」P.193