歌舞伎座夜の部

7月19日(土)

歌舞伎座市川猿之助七月大歌舞伎」の夜の部を、歌舞伎の友・Kさんと見物。
宙乗りがある、いわゆる”猿之助歌舞伎”を拝見するのは、かなり久しぶり。
演し物は、「四谷怪談忠臣蔵」通し。歌舞伎ファンでなくても、お馴染みの人気狂言東海道四谷怪談」と「仮名手本忠臣蔵」を合体させた芝居だ。
しかし、もともと、四世鶴屋南北は「東海道四谷怪談」を「忠臣蔵」の外伝として作り、初演時には二日がかりで上演したという。
今回は、それを猿之助流にアレンジして、夜の部だけで完結させようということだ。

忠臣蔵」の方は、かなりはしょっていた感じがしてしまうのと、ちょっと本家を意識し過ぎているかな?というところが多かった。特に、大詰の「明神ヶ嶽山中の場」で、新田義貞が手紙を読んでいるのを盗み見ようと、お軽が鏡を出すところは、ちょっとやり過ぎでは?という感じ。あんな大雪の中で鏡を使ったら、まぶしくて何も見えないだろうし、第一、手紙を読んでいる義貞にバレてしまうだろう?と突っ込みを入れたくなった。
高家奥庭の場」での雪合戦もどきとか、最後の「大滝の場」での水のかけ合いとか、ちょっと演出が子供っぽすぎると思ってしまった。
ああいうところが、素直に楽しめないというのは、猿之助歌舞伎の面白さが楽しみきれていないのは、もったいないかも?と思いつつ、やはりダメなのだった。

わたしには、猿之助さん一座のお芝居は、どうもあまり肌合いが合わないのかもしれない。