立川談春独演会

ゆうべに続き、談春さん三昧第2日。
”夏まつり”と銘打った、昼夜2回公演なのだが、「通しで切符を買った人が、80人もいらして、ありがたいことです」とのこと。お天気が悪くて、受付の皆様、前座さんの浴衣すがたが、ちょっと寒そう。
きものは、わたしを入れて3人。うち、お1人は、昨日の国立演芸場でもお見かけしたお嬢さん。今日も、きっちりとお召しになっていて、わたしも練習しなくっちゃ!だった。

最初の噺のマクラは、昨日とほぼ一緒で、お盆休みでどこかへ行った人は、かえってひどい目にあったのでは?というもの。「あれ?」と思ったら、「大変申し訳ないのですが、昨日の午後から風邪をひきまして、くしゃみが止まらないんですよ」と言う傍からくしゃみ連発。
アレルギー性鼻炎持ちのわたしとしては、その辛さ、よーくわかりますです、はい。「2分待ってね」と言って、一旦袖に引っ込んで、再登場すると「今、すごくよく効く注射を打って来たから」。ということで1席目の「星野屋」。
終って、時間を確認すると3時40分で、雑談タイム。本日のお題は、「すごい弟子」。幸福の科学の北関東副支部長までやっていたという談志師匠のお弟子さんの話。食べる量が半端じゃないということで「サンドイッチを作るから、パンを買って来い」と言われて、5人いるからと、食パンを5斤買って来て、ハムが5枚くらいしかないのに、マーガリンを塗っただけのパンを一人で全部食べちゃったとか、お寿司屋さんに連れて行ったら、お下地を小皿一杯に入れるので、談春さんが小言を言ったら「全部、使うんです」と言い返し、最後は飲み干しちゃったとか。世の中すごい人がいるもんだ(話半分だとしてもね)。
「今日は、6席聞けるぞと思って来た人は、ダメです。4席しかやりません。風邪を引いてなければ、やるんだけど」などなど、あって仲入り。
2席目は、予告通り「らくだ」。

夜の部は、またしても登場なさるなりくしゃみ。そして「残念ですが、今日は『化け物使い』はやりません。来月やります。なぜなら、「らくだ」の出来があまりにも悪くて、がっかりしちゃったからです。さっき、昼の部が終ってから1時間でさらった噺をやります。これは、落語家になって初めてやる噺です。道中なんかわかんないから、志らくに電話して聞いちゃいました。そしたら、あいつも師匠のは知らないと言いながら、志ん生師匠のを教えてくれました」
ということで、「黄金餅」。
そして、「怪談実話」は、何を?と思ったら、談春さんが知ってるこわーい実話特集。親戚の人が実際に遭った恐い話というのは、土地カンがあるので、思わず引いてしまった。でも、あの辺りにそんな場所、あったかな?
昔の文芸座で談春さんが体験した恐い話は、結構ありそう。
場内を暗くしたりして、演出が入ったけど、ご本人もおっしゃる通り、ちょっと失敗だったかも?
そして、とっておきの話があるのだが「これは誰にもしゃべっちゃいけないし、どこにも書いちゃだめだよ」ということだったので、ほとぼりが醒めるまで内緒(って、いつか書くのか?>自分)。これは、かなり恐いんだけどホホー!という「ちょっといい話」でもある。

談春さんは「俺の恐い話って、ほんとに恐いでしょ。だけど、本当は話している俺がいちばん恐いのよ」とおっしゃるが、サービス精神が旺盛すぎて、笑わされちゃうから、そんなに恐くないんだな、これが(なんて書いとくと、怒られるだろうか? どうせ、御覧になるはずもないから、いいよね)。
この間、2度も袖に引っ込み、ついにポケットティッシュまで持って登場。相当、症状が悪化してきた模様。

仲入りをはさんで、4席目の「不動坊」。噺の途中でも、手拭いでお鼻のあたりを押さえたりしていらして、辛そう。
終ると、いつもと違って、来月の予告のみで、あっさり終了。「遅くまでどうもすみません」とおっしゃるが、いつもより1時間以上早い終了なので、わたしなどは、全然問題ないのだが、多分、相当鼻みずとくしゃみが辛い状況なのでは?と、お察し申し上げる。
「今月は、もう何もないし。明日から当分寝込むと思いますので、皆さんも風邪にはご注意ください」って、29日の談志師匠も出演されるイベントは、落語をするわけじゃないから、数のうちに入っていないのかな?
それにしても、先月も今月も、2席ずつしかなさらなかったけれど、やっぱり小ネタでもいいから、3席聞きたいなというのが、正直な感想。今日は、体調が悪すぎだったのだと思うけど。通しのお客が多かったから、あの位でという人も多いかもしれないけれど・・・。
藤原さんが「今年の独演会で一皮むけると思う」とおっしゃっていらっしゃるほどなのだから、わたしも含め、お客さんの期待は大きいはず。
「星野屋」→『落語特選 下』(ちくま文庫*1
「らくだ」
黄金餅」→『落語特選 下』』(ちくま文庫*2
「不動坊」