雑誌「分」を探し、読む(2)

そんなこんなで、すっかり時間を取られてしまい、体調不良のくせにカフェ・ド・クリエ玄米パンのサンドイッチなどというもので済ませる羽目に。
で、サンドイッチができるまでの間に、なにはさておき「分」を取り出して、読み始める。

時間が無いので、扉を読むのももどかしく、談春さんのインタビューのページを探すと、グラビアが見開き4ページにインタビューが見開き2ページという構成で、まず春風亭昇太さんがトップだ。そして次が談春さん。写真がなんとなく気になってクレジットを探すが、そのページには無いので、特集の扉に戻ってみると、橘蓮二さんだった。
もちろん、『高座の七人』とは違う写真なのだが、橘さんらしい構図と被写体を捉えた一瞬の選び方が、いいなと思う。『高座の七人』の時よりも、談春さんご自身の迫力が増していることも、もちろんあるだろう。

そして、インタビューを読み始める。談春さんがご自身が落語について語ったものを読むのは、初めてだ。時折、HPの掲示板で短いコメントを書き込まれているのを目にするくらいで、あとは独演会の時に切れ切れに発せられる、短い言葉から勝手にわたしの中で「立川談春像」が出来上っていたのだが、それはあながちハズレではなかったなと思いながら、読み進む。
口当たりのいいこと、耳障りのいいことは、決しておっしゃらない。だから、談春さんの落語を聞いたことのない人には、ここで語られたことがそのまま受け取られてしまう可能性もある。そういう意味では、あまりに飾らな過ぎで、ちょっと歯がゆい気もするが、そこがまた談春さんらしいところなんだろうな、と思う。たとえば、
<b>ただ、いくらか喋れるっていう自負は二十年もやってりゃ、相対的な評価で周りと比べれば少しはあります。</b>
なんて、控えめにおっしゃらずともいいのに・・・。

落語へのこだわり、について
<b>俺は俺が喋ってたり、俺が聞いたときに心地のよい落語をやりたいんです。</b>
<b>でも、別にお客さんを笑わせたいっていう欲もなければ、感動させたいっていう欲もない。</b>
なんて言われると、ウーンやっぱり「フラジールの人だな」って思ってしまう。