雑誌「分」を探し、読む(3)

その一方で、古典落語を高座にかける時に、わかりやすくするためだけに演出を変えたり、表面的に言葉を置き換えるといったやり方について、
<b>でもね、俺は別に普通にやっていて不自由を感じないんですよ。会話を進めていくなかで、間や抑揚、表情その他の技術で補えるし、ウケる自信もある。</b>
なんて、頼もしいこともおっしゃっている。
ただ、記事のまとめ方のせいか、1回読んだだけでは、あまり談春さんの言いたいことが、すんなりとは伝わって来ないような気がする。

あとから、他の6人の方々の写真とインタビューも読んでみたが、みなさん、自己アピールが上手で、使われている写真も派手なアクションのカットが多くて、カッコイイ!
志の輔さんの
<b>「友達は誘いにくいのが難点ですよね。友達と大勢でやってきて、わーわきゃーきゃーの空間じゃないわけで、お客さん一人ひとりの頭の中との対話だから、なまじ友達誘って気を使うぐらいなら、一人がいいやって。
その代わり、いったんハマったらおいそれとは抜け出せないぐらいに落語の世界を愛してくれる観客ばかり。」</b>
という言葉は、橘さんがおっしゃったという、談春さんの独演会のお客さんの特徴とピッタリ合っているではないか!とヒザを打った。

この特集全体について、なんだか『高座の七人』の焼き直しのような気がしてしまった。もちろん、談春さんのインタビューが読めたのは嬉しいのだけれど・・・。
まず人選がほぼ一緒で、小朝さんに代わって志らくさんが入っているが(立川流で3人を占めているのは、すごい!)、七人にした理由がよくわからない。
写真も、一人あたりの点数が少ないから仕方ないのだろうが、談春さん以外の皆さんの分は、ちょっと当たり前な気がする。というのは、今回の談春さんの写真は、わたしには”脱・無駄に男前”系の写真を選んだように感じられたからだ。
いや、決してカッコ悪いということではありませんので、念のため。
『高座の七人』で使われたカットももちろん好きだけれど、今回選ばれたカットは、より”目力”が増しているような・・・。