雑誌「分」を探し、読む(1)

雑誌「分」(ぶ)の第2号が落語特集で、立川談春さんのインタビューも掲載されるということを、談春さんのHPで知って、発売を待っていた。
さっそく、東京ランダムウォークへ。ざっと雑誌のある棚を見てみるが、見当たらない。そこで、店長さんらしき男性に聞いてみることにするが「それは、『談』のことじゃないでしょうか?」と言われた。
わたしもメモを持って出なかったので、自信がなくて「そうかもしれませんね」と答えを返すと「2階にあるかもしれないので、見てきます」と確かめに行ってくださった。
結局『談』も在庫がなくて、それでもなんとなく手ぶらで出るのも申し訳なく、折口信夫特集の中に、渡辺保さんが折口の『かぶき賛』について寄稿していらっしゃるということで買うつもりだった「新潮」10月号と、山口瞳さんが載っている「サントリー クォータリー」を購入。

仕方なく、食事の時間を削ることにして、駅ビルに入っている旭屋へ行ってみる。
ここにもなかったら、帰りに銀座へ行って教文館ブックファーストをハシゴすれば、さすがに見つかるだろうと、腹をくくりかけたところで、無事「分」を発見。
やはり探していた本日発売の「きもの姫」別冊「スミレ」も見つけて、レジへ行こうとしたところで、昨日、かねたくさんの掲示板で教えていただいた、上岡龍太郎『隠居のススメ』(青春出版)を忘れていたことに気付き、ありそうな棚を探してみるが、見つからない。そこでレジへ行って聞いてみると、パソコンで検索して「登録されていないので、まだ入荷していないかもしれませんが、ちょっとお待ちください」ということで、レジを打っていた先輩らしき女性に引き継ぎ。彼女もありそうな棚の方に行きかけるが、とって返して、内線電話で問い合わせている。しばらくして、社員らしき男性が現れて、さっきわたしも見た棚へ行き、すっと抜いて持って来てくれた。
思わず「あら、見落としちゃった、お手数かけてごめんなさい」と言っていた。

こんなことがあると、やっぱり”いつもの本屋”を失った痛手を感じてしまう。少なくとも、店長さんがいる時間だったら、聞けばたいていの本は、在庫の有無はもちろん、すぐに棚から出してくれたものだった。
ちょっと譬えは違うが、「亡くした子の年を数える」ようなものだとわかっていながら、やはり思ってしまうのだった。