小澤實氏の「万太郎の一句」

初七日、亡き妻の姉より申出あり、受諾
ふッつりと切つたる縁や石蕗の花     『ゆきげがは』所収

「ふッつり」という言葉の響きが、好きです。長唄の「娘道成寺」のクドキにも「ふっつり悋気せまいぞと たしなんでみても」という詞があります。余韻があって美しい詞だと思います。どうせ縁が切れれるなら”ブツ”とか”バッサリ”なんていう切れ方は、寂しすぎる・・・。