立川談春大独演会@池袋芸術劇場中ホール

ギリギリまでチラシが入っていたので、そんなに入りがよくないの???とちょっと心配したのだけれど、取り越し苦労に終わったようで(笑)。1階はほぼ満席だった。開場時間になると、何やらいつもと違う音が流れているので、びっくりしたら、津軽三味線と太鼓2人、笛のグループが生演奏中。そして、CDの先行販売も。すでにサイン入りのCDが用意されていて、またまたナンバリング入り。信者といたしましては、まずはコレを買わないとね・・・。
生の出囃子で登場となったわけだけれど、なんとなく音が違うなぁと思ったら、先ほどロビーで演奏していたグループの方が出囃子も演奏してくださっているとのこと。どうりで、太鼓も三味線も音が違う訳でした。ご本人も、ちょっと袖の方を見たりして、勝手が違うみたいだったが、今日もご機嫌ですね!という感じ。
ネタは、談志師匠との豪華リレーで、「慶安太平記」。先日の「小猿七之助」に続いて、若い頃に談志師匠のを聞いて「カッコイイ!!」と思っていつかやりたいと思っていたネタなのだそうだ。で、山本周五郎の「正雪記」を読んだら?と言われて読んでみたけれど・・・。で、それっきりになっていたのだとか。今回の独演会のために、談志師匠に「一生のお願いがあります」といってお許しを得たのだそうだ。なんか、高座で演じている談春さんが、すごく楽しそうだった。談志師匠は「ほとんどアドリブ」といいながら、これまた楽しそう。きっと、あまり人がやらない、でも談志師匠にとっても思い入れのあるネタを、弟子に懇望されてやるというのが、うれしかったのではないだろうか?と勝手に推測。
仲入り後は、さながら前半戦の戦評か?という話があって、「厩火事」。ああ、この1週間で、しばらく聞いてなかったなぁというお得意ネタを立て続けに聞くことができて、嬉しい。やっぱり、談春さんのお崎さん、好きだなぁ。旦那もいい味を出してるし。最後の最後に登場する八っつぁんもいいしね。
談春さんがお辞儀をしている間に、袖から着替えた談志師匠が登場。赤いシャツが似合っている!
ここでまた、「慶安太平記」のことをいろいろとお話してくださって、なるほどねぇと思ったり、そりゃ講談や浪花節も聞いてみたいな!と思ったり。談春さんが演じた前半の道中づけを、浪花節、講談、落語と演じ分けてくださったのだけれど、これがあまり落語以外を知らない人間にとって「ああ、こういう風に違うんだなぁ」というのがよくわかって、さすがだなぁと。正岡容の名前も出てきたりして、最近、いろんなことが繋がってる感じだ。
「こういう噺をカッコイイと思って、やってみようと思う、そういう了見が好きです」と談志師匠。そして「こやつと、志の輔と、志らくはどこへ出しても恥ずかしくないと思ってます」と。この3人が談志師匠のいろんな面をそれぞれの個性とともに受け継いでいるんだなぁと思うと、談志師匠の懐の深さ、芸の幅広さを思わざるを得ない。