『古本買い 十八番勝負』

嵐山光三郎さんと、古本仲間の楽しい古本買い自慢大会?が「小説すばる」誌上で40回にわたって連載されていたとは、まったくもって知らなかった。十八番の(1)には、なんと坪内さんもちょこっと登場。
古本はプレゼントに最高とか、温故知新の精神を実習するとか、前書きで古本買いの効用?が述べられていて、いざ、実践スタートと相成る。
ちなみに、この前書きを読んでいて「オオ!」と思ったのが

古本は「降る本」、「経る本」といってよい。古本山脈から降ってわいてくる、時間を経る人の心の池に飛び込む活字の音である。

という一文。
そして、あとがきの締めくくり。

古書店に並ぶのは、そういった消費文化の濁流をかいくぐってきたツワモノなのである。百万部発行された大衆雑誌であっても、運よく残った一冊は貴重な時代記録となる。そこがフルホンの妙であって、格式高い名著だけが百年後の古書店に並ぶというわけではない。
(中略)
フルホンは生きた過去なのである。

だから、古本探しは面白いのだろうな。

古本買い 十八番勝負 (集英社新書)

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