「en-taxi」10号


談春さんの前座時代のエッセイが、今号にも掲載されている。『談志が死んだ』でも、ちょっと触れられていたりもしたけれど、談々・関西・談春・談秋という前座四人組のこと、談志師匠と初めて行ったハワイのことなど。

前座全員入門前に師匠から言われている。「修行とは矛盾にたえることだ」と。

今、こんな修行をする場がどのくらいあるのかわからないけれど、就職したわけじゃなくて、師匠の芸に惚れて入門したのだから、その惚れた相手が「黒だ」と言えば、たとえそれが白いものであったとしても、ピンクであったとしても、黒なんだ、というのは、なんかわかる気がする。そういう絶対的な価値観に従うということに、いい年をして、実はあこがれていたりもする(笑)。
それ以外にも、談志師匠のお宅を福田さんが突撃するの図やら、洲之内コレクションを見に、福田さん、康芳夫さん、そしてなぜか談春さんがロケバスに乗って、茨城県立美術館と洲之内の山荘を見に行くという趣向と、福富コレクションを、福田さん、大竹伸郎さんが見に行くというのと、二つを同時進行で福田さんが構成している「極道よりも極道に」という特集の記事もあるし、談春さんが洲之内徹の足跡をたどった「感想文」(ご本人筆)も。
さらに、白鳥さんの原稿や、坪内さんが坂本忠雄氏とともに、車谷長吉さんに永井龍男の短編について論ずる「文学の器」、今回は中央線沿線をたどる「倶楽部亀坪」など、読み所満載。
まずは、談春さんが登場するところ、談志師匠のお宅襲撃を読んでみた。
で、気になる本がすでに、あれこれ。

気まぐれ美術館 (新潮文庫)

気まぐれ美術館 (新潮文庫)

虚人魁人康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝

虚人魁人康芳夫 国際暗黒プロデューサーの自伝

昭和キャバレー秘史 (文春文庫 PLUS)

昭和キャバレー秘史 (文春文庫 PLUS)

絵を蒐める―私の推理画説

絵を蒐める―私の推理画説

描かれた女の謎―アート・キャバレー蒐集奇談

描かれた女の謎―アート・キャバレー蒐集奇談

伊藤晴雨 自画自伝

伊藤晴雨 自画自伝

談志が死んだ

談志が死んだ

そうだ、ちょうど洲之内徹のところで読みかけのままになっている、福田さんの『日本人の目玉』も読まなくっちゃ!
日本人の目玉

日本人の目玉

ちなみに、最近、ちくま学芸文庫になった『日本人の目玉』の装丁は、わたしは新潮の単行本の方が好きだな・・・。