書肆アクセスにて

思っていたより早く仕事のキリがついたので、いそいそと神保町へ。久しぶりだなぁ。今日は、書肆アクセスに行くのだ!と脇目もふらず、すずらん通りを歩く。中に入ってすぐの平台の本をながめていると、お目当ての高橋徹月の輪書林それから』を無事発見。そのお隣には、タイムリー!な「i feel」も並んでいる。なぜ、タイムリーなのかというと、本日、書肆アクセスに行くに至った動機にある。それは、岡崎武志さんから、関容子『日本の鶯』という数年にわたる探求本を譲っていただくことになっていたからなのだった。
ことの発端は、岡崎さんの日記(id:okatake)でこの『日本の鶯』の2冊目をゲットされたという記述があって、深く考えもせず「あるところにはあるものですねぇ・・・」などというコメントを書いてしまったところ「もう1冊がみつかったら、譲ってあげます」さらに「見つかったので、書肆アクセスに預けておきますから、取りに行ってね」というコメントをいただいたからなのだった(やりとりは要点のみ)。
で、書肆アクセスの畠中さんのご好意で、岡崎さんからの『日本の鶯』を中継していただいたというわけ(結局、もう一度、畠中さんにはお手数をおかけする事態になっており、申し訳ない限りです)。
せっかく行くのだからと、最近、あちこちの読書系Blogで話題の『月の輪書林それから』は、書肆アクセスで買おう!と決めて、灯台下暗し書店や教文館の誘惑にも負けず、本日無事に購入と相成った。で、お隣に並んでいた「i feel」は特集が「聞き書き事始め」ということで、関容子さんと森まゆみさんの対談が掲載されているから、これもやっぱりアクセスでしょう!と思っていたのだった。そんなわけで、本日「i feel」がここに並んでいたのは、個人的にとてもタイムリー!なことだった。
関容子さんには、歌舞伎を見始めてしばらくしてから、先代勘三郎さんや勘九郎さん(当時)の聞き書きを読んで、芸談聞き書きの面白さを教えていただいたのだった。しかも尊敬する戸板康二先生が、これらの聞き書きのきっかけを作ったのだということを文庫解説で知った。で、その原点が『日本の鶯』という堀口大学聞き書きだということも、戸板先生の解説で知り、探していた。ただ、探し方が未熟だったため、なかなか巡り会うことができなくて、今日に至っていた。
というわけで、念願の本を手に入れることができて、とても嬉しい!
畠中さんと、ちょっとおしゃべりさせていただいて、坪内さんの『極私的東京案内』も、来週には入荷するらしいと教えていただいたので、来週もまた、来たいなぁ・・・。赤坂から大手町乗り換えで行けば、そんなに時間もかからないようなので(今まで、赤坂見附から半蔵門線で、というルートしか思い浮かばなかったもので、つい、億劫に感じてしまっていたのだけれど)、しょっ中というわけにはいかないけれど、時々は神保町にも行けるじゃない!と気がついた。
で、東京堂は、すでに閉まっていたので、ふくろう書店の坪内棚を見ることはできなかったのだけれど、うれしい本を持っているから、いいんだもーんという気分で、表通りを専修大学の交差点まで歩き、タリーズで一休みして、あともう少しとなった『東京新大橋雨中図』を読了。帰りの地下鉄の中で、さっそく『日本の鶯』を読み始めた。