「名刀美女丸」

昨日、TSUTAYAで発見した、花柳・山田五十鈴主演映画「名刀美女丸」を見る。昭和20年に、こんな時代劇がまだ撮影できたんだ!とびっくり。ストーリー自体は、仇討ちだから、問題になるようなものではないけれど、第二次大戦の戦局はすでに相当切迫したものになっていたはずで、そんな中、時代劇が撮れたということへの驚き。
若き日の山田五十鈴も、噂に違わずとても美しかった。花柳は、ウーン、飲んだくれているところの形が美しい(笑)。あと、刀を鍛えている場面でも、絵になっているのが、さすが。しかし、やっぱり花柳の「歌行燈」が見たい!
そうそう、スタッフの中に、甲斐庄楠音の名前があって、オオ!と。まぁ、溝口監督作品だから、当然といえば当然なのだろうけれど、『花顔の人―花柳章太郎伝 (講談社文庫)』の中で、衣裳のデザインをめぐって、溝口・甲斐庄と花柳の間にトラブルがあったという挿話が出て来て、「ああ、甲斐庄だ!」と思ったばかりだったので、ここで甲斐庄がかかわった作品を見ることになろうとは、奇遇だなぁ。