黒談春@紀伊国屋ホール

仲入り

  • 「百年目」

「黒談春」は、今日が2回目。1回目は謎の前座さんが登場したのだけれど、今回は???と思ったら、お弟子さん3人が、さっきまでロビーに置いてあった、ドラム缶ぐらいの大きさのものをごろごろと転がしながら登場。そして中から、コロ談春が・・・。そうか、プログラムに書いてあった「俺のことを知らないお客が、思い切り引くようなことをやって」と書いてあったけど、今回は、これなんだ・・・。しばらく、スタンダップトークで、「en-taxi」の連載で書いたことから起きた、珍事件?に始まるあれこれを。
一旦、緞帳を下ろして、地囃子でつないで、着替えた談春師が、登場。黒紋付の着流しだ・・・。羽織りを着ていないのは、登場人物の浪人モノを意識してだろうか? 談春師の「花見の仇討」は、六部の六さんのおじさんが、大好きなのだけれど、今日は、ご自分でも「落語の登場人物の中でも3本の指に入るぐらい、好き」とおっしゃっていた。このおじさんが登場しちゃったばっかりに・・・という、主役ではないのだけれど、鍵を握る人物。今日も、おじさんは絶好調! ちなみに、オープニングのスタンダップトークは、「花見の仇討」の伏線にもなっていたことに、途中で気付いた。それにしても、談志師匠って、やっぱりチャーミングだなぁ・・・(笑)。
仲入りをはさんで、ネタ下ろしだという「百年目」。2月に、志の輔師匠で聞いて、すごくよかったなぁ・・・と思ったのだけれど、談春師では、そういえば聞いたことないかも?と思っていた噺。思う所あって、今までやる気がなかったのだそうだけれど、今回、自分なりのアプローチの仕方をみつけたので、やることにしたと、プログラムに書いてあった。たしかに、出だしの番頭さんのお小言の件りは、談春師らしい感じだったかな? そして、スタンダップトークは、この噺の伏線でもあったのか!と。大旦那を、志の輔師匠は、懐の大きな、すごくステキな人物として描いていらっしゃったように思うのだけれど、談春師は、どうやらそれとは違った線を狙っていらした模様・・・。たぶん、もう少し、年齢を重ねると、大旦那の貫禄みたいなのが、自然に出て来るようになるんじゃないだろうか? と思うのだけれど・・・。ただ、談春師らしい「百年目」が近い将来聞ける予感は、充分に。来年、再来年と、この時期にどこかでかけてください! 楽しみにしてます!!