『あやつられ文楽鑑賞』2007_028

三浦しをんさんが、ポプラビーチ*1というサイトで連載していたものを単行本化。Web連載って、よほどじゃないとなんとなく敬遠してしまうのですねぇ。理由は自分でもよくわかりません。
今年に入って、にわかに再燃している自分の文楽への興味もあって、実は気になりつつも、単行本化を待っていました(笑)。
文楽は、非常にアバウトな知識は持っていましたが、知らないことばかり。お人形の着付けを主遣いさんがなさる、ということも先日読んだ、蓑助さんのご本で初めて知りました。この本の桐竹勘十郎さんへの取材の項でもその辺のことに触れられていますが、人形遣いさんは、人形を遣うというだけでなく、やはり手先が器用で繊細じゃないと、ムリなんだなぁ・・・と思いました。
あと、びっくりしたのは、三味線弾きさんのお三味線は、まとめてトラックで運んでいるという点。普通、長唄とかの三味線弾きさんは、人間が手で運んでいる(と思う)ので、文楽も当然、楽器はご自分たちで運ぶのかと思っていました。
お三味線でいうと、撥の握りの部分に、和紙を張って滑り止めにしているとのことで、それのことを「指すり」と呼ぶという件。「指すり」って、指かけのことじゃないんだ・・・(こっちでは、たぶん指かけの別名だと思います)。撥の太さや重さが違うから、すべり止めが必要なんでしょうかねぇ???
さらに、燕三さんの胴掛けが紙縒りを漆で固めた工芸品で、ひとつ20万円ぐらいするというのにも、びっくり。紙の台に布を貼ったものが一般的で、それはどのジャンルでも同じだと思っていたので・・・。
三浦さんの演目の解説は、初心者のなぜ?どうして?にわかりやすく答えてくれる感じで、堅苦しいのがなぁ・・・と思うけど、文楽に興味はある!っていう人には、かなり優秀な入門書になるんじゃないか!?と思います。
そうそう、ついつい眠りに吸い込まれるのも、上手い人の浄瑠璃だからこそ、なんていうことも書いてあって、かなり救われました(笑)。
これで、もうちょっと写真が多いと、もっといいんですけどねぇ・・・。でも、そうすると価格が上がっちゃうから、とっかかりの1冊としては、仕方ないか・・・。

あやつられ文楽鑑賞

あやつられ文楽鑑賞


ちなみに、この本でちょっと触れられていた

文楽のこころを語る

文楽のこころを語る

は、どこかにあるはずなので、探して読まなくっちゃ!
さらに、1章を割いて紹介されていた
浄瑠璃素人講釈〈上〉 (岩波文庫)

浄瑠璃素人講釈〈上〉 (岩波文庫)

浄瑠璃素人講釈〈下〉 (岩波文庫)

浄瑠璃素人講釈〈下〉 (岩波文庫)

も、すごく面白そう! これも買うには買ったはずなので、探さねば・・・(汗)