『松風の記憶』

講談社文庫版解説で、小泉喜美子さんが奇しくも書いていらっしゃいましたが、「松風」ということで、わたしも一瞬、松風・村雨のことを思ったのですが、実際には、「松風」は事件の発端で亡くなった人が最後に発した言葉に含まれていたのでした。
この作品は、テレビ朝日で「車引殺人事件 のちに鷺娘殺人事件」という2作品合体させた形でドラマ化されたそうで、「車引殺人事件」の方は、かなりはっきり覚えているのですが、「鷺娘」の方はとんと忘却の彼方に去っておりました・・・。
この「松風の記憶」が、戸板先生唯一の新聞小説だそうで、これまた意外でした。
最後に、雅楽シリーズにまつわるエッセイがまとめて収録されていて、中には単行本未収録分もあるそうで、これまた得した気分です。
もっともっと読みたいけれど、雅楽モノはこれで一通り全部読んでしまいました。ただ、何度も繰り返して読んでも、新たな発見があると思うので、また、折に触れて読もうと思います。そして、雅楽シリーズで取り扱われた歌舞伎の演目に関するメモをちゃんと作っておきたいなぁ・・・。