『世の中で一番おいしいのはつまみ食いである』

平松さんのエッセイを立て続けにもう1冊。こちらは、「手」が主役のエッセイ集。つまんだり、こねたり、たたいたり、割いたり、むしったり…。手にはこんなにいろんな技があったのか!ということに、改めて気付かされた。そして、庖丁できれいに切ること=おいしいものを作るではない、ということを教えていただく。
さっそく、さっとゆでたキャベツを手でちぎって、醤油ドレッシング的なもので和えて食べてみた。庖丁で切ったキャベツより、味が馴染んだような気がする。あくまでも「気がする」なのだけれど。
やっと巡り合えた水茄子の漬物を手で割いて食べてみた。
こんなにたくさん、いっぺんに食べられるかな?とちょっと不安になったけれど、食べ始めたら美味しくて、箸を止めることができなくて、まるまる1個ペロリと食べてしまった。
庖丁で切ると、きっと、ナスが縮こまっちゃいそうだけれど、手で割くとフワっとしたナスになる。
なんでも手で割いたり、チギッタリ、割ったりすればいいわけではないのだろうけれど、ちょっといろいろ試してみたくなる。