目が合ってしまった

日本橋三井記念美術館で能面の展覧会を見た後、三越前といえば、のタロー書房へ。
店内をぐるーっと見廻って、最後に入り口近くの平台を見ていたら、隣の平台から視線を感じた。え、何?と思い、そちらに近づくと、視線の主がそこにいた。

四時から飲み: ぶらり隠れ酒散歩 (とんぼの本)

四時から飲み: ぶらり隠れ酒散歩 (とんぼの本)

帯に著者の正蔵さんがのれんをかき分けて出てくる写真が使われていて、視線の主は正蔵さんだったか!と納得。
お酒は舐める程度しかイケない口なのだが、表紙の鍋ものの美味しそうな写真が、また、そそる(本文を読んだら、表紙の写真は「みの家」のけとばしだということが判明)。手にとってパラパラと中を見てみたら、お腹の虫が鳴いた。お酒は大して飲めなくても、酒の肴は大好きなので、お酒好きの友達に便乗して訪ねてみたい店、あ、ここなら一人でも行けそう、といった店などなど。とにかく、写真が美味しそう! これは、眺めるだけでも楽しそうだ!と思い、購入決定。
お会計を済ませたその足で、近くのTully’sへ行き、ドーナツを食べながら読み始める。ここが酒飲みじゃない悲しさなのよね…と思いつつ。「東京人」の連載から選んだ、四季それぞれに相応しいお店と、ぴったりの酒、肴を選んだ構成になっているのかぁ、と目次を見て気がついた。午後四時から飲むのは、ちょっとした後ろめたさと、自分へのご褒美という気分が相まって、ことさら旨いらしい。酒飲みはいいなぁ〜と、羨ましくなる。
さて、口開けは浅草演芸ホール近くの水口食堂。ここはその名の通り食堂なので、定食もあって、飲めなくても美味しいものにありつけそうだ。どのお店の回も、食いしん坊の正蔵さんらしい、旨いものに出会う楽しさ、嬉しさと、そのお店の空気が伝わってくる。読んでいると、今から飲みに行けたらいいのになぁ…と、お酒に弱い自分が恨めしくなる。
大好きな街・銀座のお店、いつも行き場にちょっと困る浅草のお店もあちこち紹介されているので、嬉しい。いくつかは行ったことのあるお店も出てきて、久しぶりにまた行きたいなぁと思ったり。
くれぐれも、空腹時に読むのは、お控えになることをオススメする”オイシイ”一冊。