2008-10-25から1日間の記事一覧

『三世沢村田之助』

田圃の太夫と呼ばれた、三世田之助についての小説は、ほかにもいくつかある。この南條範夫さんの作品は、田之助の傍近くでともに暮らした小でんという女性からの聞き書きを元に再構成する、という体裁をとっている。 この元になった聞き書きが実在のものなの…

『無事、これ名馬』

宇江佐真理さんの本を久しぶりに。火消の頭と武士の息子、その家族たちとのちょっと変わった、でもあったかな交流を描いた作品。主人公の少年のお父さんの名前、どっかで見た記憶があると思ったら、解説を読んで、以前に読んだ作品の続編だったことが判明。…

『東洲しゃらくさし』

写楽の謎解きがテーマの作品だとばかり、読むまでは思っていたのだが、実ハ並木五瓶と芝居モノの話という方がしっくりくる。松井さんのその後の作品の素がみっしりと詰まった作品で、思わず「にんまり」するという楽しみもあった。デビュー作でこのレベル、…