あれも見たい、これも聞きたい、それも読みたい

中野翠さんの<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&bibid=02152052&volno=0000>『毎日一人はおもしろい人がいる』</A>(講談社)読了。

中野さんが、Web現代に連載をされていたことすら、気がつかなかった。
この本のもとは、Web現代の連載だと知ったとき、てっきり、中野さんもついにパソコンを使うようになられたか、と思ったのだが、そこはそれ、Webマガジンに手書き原稿で連載を持つというところからして、中野さんらしい。

始めるまではインターネットに反感を持っていた中野さんだけれど、連載を通してネットの良さも感じることができたらしい。だからといって、パソコンを使うようにならないところが、中野翠中野翠たる所以で、「さすが」と思う。

古今亭志ん朝師匠の訃報に接した後の、中野さんの落ち込み方は、かなり激しい。本当は、ここで綴られている何倍も辛かったのだろうと思われるのだけれど、日々の暮らしのペースを大きくは変えないところが、大人の女性だなと思った。ただし、就眠儀式(この言葉は、北村薫さんの「私と円紫師匠シリーズで覚えた。落語つながり?)の落語を聞くことだけは、続けられなかったけれど。

中野さんの映画好きは、以前から知っていた。歌舞伎好きも、坪内師匠のエッセイを読んで知った。しかし、こんなに落語を愛しておられたことは知らなかったので、びっくりした。
歯切れのいいリズムに乗った文章は、きっと落語の影響があるのだろうと推察する。
後書きの最後で「不景気の中、この本を手に取ってくださったあなた。ありがとう」とある。こういうことが、サラっと書けるところが、好きだな。

最近、とんとご無沙汰しているけれど、また映画も見たくなってきたし、歌舞伎にも出かけたい、落語も聞きたい・・・。
そして、もっといろいろな本も読みたい。
これって、やはり欲張りなのだろうか?