浴衣姿のおじいちゃまこそ、松山俊太郎さんだった!

松山俊太郎さんと坪内師匠の公開対談を聞きに、神保町の美学校へ。
その前に、移転したという東京堂の様子を偵察に行く。
リニューアル工事のための移転ということで、お向かいのビルの1・2階で仮営業中。

売り場面積が圧倒的に狭いので、本の数はぐっと少ないが、それでも”東京堂らしさ”は感じられる。
気になる本が数点あったのだが、荷物を増やしたくなかったのと時間切れで、雑誌「さん(舟+山)板」と「鳩よ!」最終号のみ購入。
「鳩よ!」は、斎藤美奈子さんの特集だったので、先日から探していたのだが、なぜか手近の書店では見つけられなかった。

美学校へ行くのは始めてで、先日電話で問い合わせをした時に、だいたいの場所を教えていただいた。「この辺かな?」と思いながら歩いていると、目の前を浴衣に素足で草履(たぶん、雪駄)姿の、体格のいいおじいちゃまが歩いていて、わたしが目指すビルへとスタスタと入って行かれる。
「あれ?」と思っていると、大きな声で「ヤアヤア、こんにちは!」とご挨拶しながら受付の奥へズンズン進ん行かれた。開始時間になって、坪内師匠と一緒に入っていらしたのが、やはり先程のおじいちゃま。つまり松山俊太郎さんだった。

まずは、なないろさんこと、田村さんの司会で「今日はどんなお話しをしていただくか、まったく決めておりません。まさに、出たとこ勝負です。坪内さん、よろしくお願いします」と、会がスタート。
「まずはぼくが、個人的に伺いたかったことについて、お聞きします」ということで坪内師匠が「種村さんの本で読んだところによると・・・」と切り出したエピソードについて「種村、加藤郁乎、石堂淑郎の三人は、ぼくに言わせれば”三大ウソつき”なんだよ」とおっしゃる。特に、種村さんが著作の中で松山さんについてお書きになっていることは「ほとんど都合のいいように種村が脚色しているんだ。だから、ぼくは絶対、種村より長生きしてやるぞ!と決めているんだ」と、ユーモアたっぷりの答えに、会場は、爆笑の連続。

そのほか、ご自身が研究しておられる”蓮”や仏教について、澁澤龍彦とサドについて、かつての蔵書、現在のコレクション、古本屋さんとの付き合い、飲み屋さんでの喧嘩のことなどなど、次々に坪内師匠が繰り出す質問にも、即座に答えていく。
松山俊太郎という人のスケールの大きさの片鱗に触れることができて、楽しかった。