五木寛之とヘンリー・ミラーの対話(1)

今日も、猛暑。
夕べは、窓から蝉が2匹も室内に侵入してきた。
室内で鳴かれるとうるさくて、早く出て行ってもらいたいのだが、電気を消してもなかなか出て行ってくれず、寝そびれてしまった。
おかげで、はからずも昼寝をたっぷりとしてしまった。

五木寛之さんの『日記 ―十代から六十代までのメモリー』(岩波新書)読了。

十五日に、五木さんの新しいエッセイ集が発売になるということで、話題になっている。このところ、ベストセラーを連発しているということで、注目されているのかと思ったら、そこにはもう一つ、これまで五木さんが決して語らなかった、実母の死についてが語られているからだ、と先日フジテレビの「とくダネ」の特集で知った。
そういえば、この日記でも、五木さんを生んだお母さまのことにはまったく触れられていない。そして、父上についての記述も、距離をおいたものだった、と思い当たる。

十四歳、十五歳、十七歳、十九歳、二十歳、三十二歳、三十四歳、三十七歳、五十六歳、五十七歳、六十二歳の日記が収録されている。
十代の日記は、戦後の混乱する世の中にあって、これからその世の中に乗り出して行こうとする若者の期待と気負いと希望が、若者らしく綴られている。
そして、三十四歳の日記は金沢在住の時、「直木賞」ノミネートから受賞までの日記。この時の「芥川賞」は、丸山健二だった。ちなみに、五木氏の直木賞受賞作は『蒼ざめた馬を見よ』。