鈴本昼席

ちょっと懸案事項もありつつ、携帯に何かあったら伝言を残してもらうということで、無事、鈴本へ。
正雀「大師の杵」
○扇橋「麻のれん」
仲入り
○とし松 曲独楽
○喜多八「あくび指南」
○市馬「のめる」
紫文 粋曲「鬼平半可通」&片足かっぽれ
○三太楼「寝床」

今日は、扇橋さんの「麻のれん」と三太楼さんの「寝床」に尽きるでしょう。
扇橋さんは、ほんといつ見ても変わらぬたたずまい。文治師匠なきあと「カワイイ爺ちゃんといえば、このお方でしょう!」という感じ。今日も、昼過ぎぐらいまでは、暑いと言っておかしくない陽気だったせいか、マクラで「暑いですね〜」とフっておいて、蚊帳の話題に持って行くと「麻のれん」。飄々としているのだけれど、それが按摩の杢市のすっとぼけたキャラクターにぴったりで、いかにも麻ののれんと蚊帳を間違えて朝まで蚊帳の外に座っているだろうな〜という雰囲気が出ているのは、さすが。
そして、主任の三太楼さん、今日は何をやってくれるのかなぁ?と思ったら、義太夫をひとくさり。で、もしや!と思ったら「寝床」だった。長屋のみんなが会を聞きに来られない言い訳をするところ、それを聞く旦那、そのうち「変だぞ!」と気がつく時の旦那の表情に、思わず見入ってしまう。そして、長屋の衆がこられないなら、店の者に聞かせてあげよう、というところから、再び始まる言い訳、最後に自分だけが犠牲になればいいと思い極めた(というか、ヤケになったというか)茂蔵の嘆き、旦那の怒りと一番番頭が「一段だけでも語ってください」と言いに来た時の表情の変化、もう面白すぎ! 
御頭の「片足かっぽれ」久しぶりに拝見いたしました。踊る前に尻はしょりをした姿を見たすぐ後ろの列に座っていたおばさまたちが「あら、襦袢が綺麗ねぇ、粋だわ」と口々に誉めていらっしゃいましたよ。「鬼平」はいつも通りで、踊りの分、短いバージョンでした。
そういえば、扇橋さんもおきものや羽織はとっても渋いのに、お袖からちらっと見えた襦袢に赤い色が入っていて、オオ!カッコイイ!!と思ったのでした。