「蘭蝶」と荷風と紫朝がつながった

最近、iPodに邦楽をいろいろと落として、持ち歩いている。そんな中、よく聴くのが、新内。新内といえば「蘭蝶」「明烏」という2曲が代表曲であるらしく、CDに収録されているのも、圧倒的にこの2曲が多い。
そこで、もう少し詳しいことを調べてみようかと思って、検索してみたら、まぁ、当然のことながら、永井荷風の名前に突き当たった。しかも、前々から気になっていた矢野誠一さんの『荷風の誤植』という本。この内容について「荷風塾」No.7http://homepage.mac.com/naoyuki_hashimoto/Kafu_site/Personal207.htmlというサイトの記述が引っかかった。
荷風の「震災」という詩の誤植についての考察なのだけれど、ここに“柳家紫蝶”という名前(新内語りだとすれば“紫朝”が正しい)という名前が登場する。実は、このサイトのこの文章は、UPされた当時に読んでいてこのくだりも「へぇ〜」と思っていただのだけれど、何しろその頃は、新内や寄席の音曲への興味があまりなかったので、すっかり忘れてしまっていたのだった。
しかし、いまや“紫朝”といえば、御頭の師匠。荷風が聞いたのは、その一代前の紫朝でしょう!ということで、俄然、興味津々となったのだった。