立川談春大独演会 第一夜

今日のゲストは、談志師匠。先週、ひとり会に行けなかったのが、かえすがえすも残念だったので、今日はそのリベンジだ!という気分。
9月の独演会の時に「プログラム作るから、買ってね」と談春さんが言っていたけど、橘蓮二さんの写真が印象的。開演前に席で談春さんの書いた文章を読んでいたら、なんだかホロっとしてしまって「開演前からズルイぞー、春さん!」と一人勝手に思ったりしていた。
真打ちトライアルの頃の談春さんを知らないけれど、小さん師匠をゲストに引っ張り出した経緯、それを受けて談志師匠が談春さんに課した宿題。やっぱり師弟っていうのはいいなぁと思う。
「今はまだ、書けない」っていうエピソード、いつかきっと教えてください!!

最初が「九州吹き戻し」。このネタ、題名は知っていたけれど、聞いたことがなくて、談志師匠の十八番なのはもちろん知っていたけど、敢えて「全部教えてやる」という師匠に教わりにいかなかったという談春さんで、初めて聞いた。いつか、談志師匠のも聞いてみたいぞ〜!!
続いて上がった談志師匠が、開口一番、この談春さんの「九州吹き戻し」を褒めてくれた。なんだか自分のことのように嬉しかった。それから、いつものジョーク。そして「道具屋さん、何かいいものはあるかい?」と、スーっと「へっつい幽霊」に入ったと思ったら、ちょっと寄り道。
談春さんの「へっつい幽霊」も好きだけど、談志師匠の「へっつい幽霊」は、さらに研ぎすまされていて、プログラムで談春さんが談志師匠から言われたことについて書いていたけれど、ああこういうことなのかなぁ?と思ったり・・・。普通の落げまで来たけれど、なんか談志師匠はまだやりそうなアウラを全身から発しているのに、さっさと拍手をするお客さん。拍手が治まったところで「もうちょっとやろうと思うんだけど、いいかなぁ?」と穏やかに語る談志師匠。なるほど、そう来ましたか!という新しい落げが待っていた。

なんか、すごーくいい師弟関係だなぁと、談春さんがいつもより随分短いマクラで語った最近の師匠のエピソードと、談志師匠が「弟子だから褒めるんじゃないよ」といいながら、談春さんの「九州吹き戻し」の感想を述べる姿を見ていて思った。

仲入りをはさんで、川口松太郎の「遊女夕霧」。新作をやらない談春さんが、敢えてこの20周年の会に、新派の狂言を落語に仕立て直したネタをかけたのはなぜだろう。元の芝居を見ていないし、原作も読んでいないので、脚色を担当された吉川潮さんが、どの程度手をいれているのかわからないけれど、ウーン・・・。これでもか!というくらい客を泣かせておいて・・・という構成自体、どうなんだろう? 語りが上手いだけにねぇ・・・。素人目には、もうちょっと違う方向性のネタに挑戦というのも、アリなのではないかと思うんですけど。
「九州吹き戻し」は、ぜひ、また聞きたいなぁ。数年後でもいいから、独演会でやってくださ〜い!

誰が何と言おうと、やっぱり談春さんについて行くぞ!という意を新たにした、第一夜。明日は談春さんでは初めて聞く「大工調べ」。そして去年の独演会での”スペシャル・バージョン”から、どう変わったのか、これまた楽しみな「文七元結」。ゲストは鶴瓶さん。鶴瓶さんの、鶴瓶さんにしかできない落語、久しぶりだなぁ〜。

最後に。立川流の前座さんたちへ。鳴りもののお稽古、しましょうね〜! 確かに、太鼓が叩けなくても落語はできるかもしれないけど、稽古したら稽古しただけのものは、絶対得られるはずだよ〜!! せっかくの、生の出囃子なんだからさぁ、お願いしますよ。
(談志ひとり会の時も、思ったんですけどね)