『非道、行ずべからず』2007_049

ちょっと時間がかかりましたが、なかなか、面白かったです。
松井さんの作品は『仲蔵狂乱』を読んだぐらいでしょうか。『奴の小万と呼ばれた女』は、読みかけのままになっています・・・。その時のわたしには、もうひとつ、しっくり来なかったのだと思われますが。
江戸時代の芝居町の暮しや、役者の日常といったバックボーンが生き生きと描かれています。舞台を中村座という実在した芝居小屋に設定したことが、成功の一因でしょうか。物語は架空の役者の襲名をめぐるごたごた、殺人。最初、無関係に見えた殺人が、実は襲名に関係ありというのがわかっても、今度は、じゃあ犯人は誰?というのが、なかなか見えてきません。
松井さんは、この作品で直木賞にノミネートされたそうですが、歌舞伎に興味がない人には、ちょっとしんどかったかもしれませんね。
今年、『吉原手引草』で直木賞を受賞されたことで、旧刊が書店に並んでいるのは、嬉しいことです。他にも読みたいと思っていた作品が、いくつかありましたので。追々、読んで行こうと思います。

非道、行ずべからず (集英社文庫)

非道、行ずべからず (集英社文庫)

仲蔵狂乱 (講談社文庫)

仲蔵狂乱 (講談社文庫)

奴の小万と呼ばれた女 (講談社文庫)

奴の小万と呼ばれた女 (講談社文庫)

吉原手引草

吉原手引草

東洲しゃらくさし (PHP文庫)

東洲しゃらくさし (PHP文庫)

一の富―並木拍子郎種取帳 (時代小説文庫)

一の富―並木拍子郎種取帳 (時代小説文庫)

似せ者 (講談社文庫)

似せ者 (講談社文庫)

銀座開化事件帖

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