銕仙会定期公演@宝生能楽堂

観世流宗家の「弱法師」と、野村四郎さんの「国栖」。どちらも濃密で、すっかり引き込まれました。「弱法師」は特に、囃子方が個人的にはほぼベスト!というメンバーでしたから、そのせいもあるとは思いますが。曾和正博さんの鼓と、亀井忠雄先生の大鼓、六郎兵衛さんのお笛とくれば当然!!ですね。大倉源次郎先生の鼓は、それはそれで大好きなのですが、最近、「お、この方もすごい!」と感じるのが、曾和正博さん。今日も、とても素晴らしい鼓を聞かせていただきました。亀井先生も、曲柄もあるのでしょうが、いつもよりは抑え目な掛け声と打音が、逆に緊密な雰囲気を作っていて、そこに六郎兵衛さんのお笛がからまる!って感じでしたね。地謡も、萬先生のアイも、よかったし、やはり宗家が出演となると、それだけでも何かが変わるんでしょうかね???
「国栖」は、わりと最近、他のお流儀での演能を拝見したのですが、比較的若い方がおシテでいらしたせいなのか、雄流儀の違いがあるのか??? 野村四郎さんといえば、観世流でもベテランに入る方ですからねぇ・・・。今回は、ワキも閑先生だったし、前ツレが長山礼三郎さんでしたし、重厚な感じがしました。子方も、柴田理沙ちゃんが、とってもノーブルな感じを出していて「おお、帝はこの方だわ!」って思いました。中入あたりからは、国和様が太鼓を打っていらっしゃったので、そちらをメインで拝見していたのですが、後シテが橋掛を疾風のように駆け抜けた迫力は、びっくり!でしたし、カッコよかったです。