鰻の幇間を肴に美味い鰻を食べる会

朝、歯医者へ。治療方針は保留のまま、とりあえず、仮歯を入れてもらう。「次回までに、真剣に考えておいてくださいね」と言われたので「いや、今も真剣に考えているんですけどね」と一応。
夜は、仕事関係の皆様と鰻会。前にもほぼ同じメンバーでトライして、予約がとれなかった江戸川橋の石ばしに念願かなって繰り出す。
普通の住宅街のしもた屋が、目指す店だった。木戸をガラっと開けると、短いアプローチがあって玄関も、座敷も、入れ込みの席も、普通の昭和の民家のものだ。座敷に通されたところで、「床の間は、掛け軸じゃなくて、額装された絵ですね」「あとはキムチが出て来ないことを祈りましょう」などという「鰻の幇間」にちなんだ軽口で、みんなで笑う。
まずは、ビールで乾杯して、お通しをいたく。続いて、茶碗蒸し、白焼き(1/2人前)、うな重一人前とお漬け物と肝吸い。これで、十分満腹。茶碗蒸しまでは、わいわいとしゃべって呑んでいたのに、鰻が出て来たらとたんにみんな、無言になったのがおかしかった。
「美味しい物って、人を無口にするんですね」と若者が。まさにその通り! 予め、茶碗蒸し以外は予約の時に注文してあったのだけれど、それでも白焼きまでには、30分以上かかったと思う。ちゃんと客の顔を見てから鰻をさばいて焼いているってことなんだろう。
うな重と一緒に出て来たお漬け物が、店の紹介にも出ていた100年続くぬか漬けで、お約束で「あー、よかった」と一同、ホっとする。
帰りは神楽坂で一杯、ということになったが、誰も神楽坂は縄張りじゃなかったため、雨の降り出した中をしばしウロウロ。で通りすがりのまぁよさそうなバーに飛び込みで入ってみることに。ところが、そのバーは、以前、定期的に神楽坂界隈で集まっていた仲間とやはり飛び込みで入ったバーだった…。
「そういう風に入りやすいお店なんじゃない?」と言われて、たしかにそうかも、と納得した。

NHK落語名人選 八代目 桂文楽 鰻の幇間・干物箱

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