甲斐庄楠音→新藤兼人→杉村春子という芋づる

朝起きて、『文庫本宝船』の続き。

坪内さんは『失われた時を求めて』は結局読了したのかなぁ?そして、『内田魯庵山脈』は遠からず読みたい。松浦武四郎の一畳敷の書斎、興味津々だ。

洗濯機を回して、マイブックを書きウィークリーリフィルに記入する。

昼ごはんを食べて、掃除をして、読書。

新藤兼人『ある映画監督の生涯 溝口健二の記録』読了。田中絹代のインタビューがやはり量も内容も濃い。

津村秀夫(評論家)のインタビューの中に、溝口健二が雑誌の座談会の後で、当時封切りされたばかりの「戸田家の兄妹」を見た溝口が「私の写真は、ありうべからざることを、ありうべきように描くのですが、小津君のほうは、ありうべきことをありうるように描くので、このほうが難しいんですよ、と吐いた。これは、また、おっさん(溝口のこと)らしい言葉ですね」という件があった。小津のことを心から認めていたのだ、と津村氏はいう。

『ある映画監督』を読んでいて、溝口健二という人は芸術家としては素晴らしい人だけれど、人間的にはどうなんだろう?と思ったが、このインタビュー集を読んでみて、人としても魅力ある人で、むちゃくちゃ言われたスタッフや役者も、溝口がどうしてそんな態度を取っているのかをわかっているから、愛されていたのだ、ということがわかった。確かに、こういう人、いるよなぁと思う。

夜ごはんを食べて、図書館から借りてきた新藤兼人女の一生 杉村春子の生涯』を読み始めた。『弔辞』のトップを飾ったのが、杉村春子

ここでも杉村の弔辞が冒頭に引かれている。女優・杉村春子ではなく、人間・杉村春子の生涯を描いている作品らしい。

明日に出されるという緊急事態宣言に先立って、東京都医師会の会長が医療的緊急事態宣言を発表して、これから6週間をめどに、外出を控えるように呼びかけた。総理や都知事の会見と違って、きちんとどういうことが予想され、どう市民が行動すればどうなるのか、という見通しを示した発表だったので、納得がいく、

もちろん、この通りになるかどうかは誰にもわからないけれど、少なくとも目標が設定されたことによって、我々も外出を控える必要性をよりきちんと感じることができると感じる。

あとは、PCR検査を韓国並みとは言わないまでも、せめて感染者の家族や濃厚接触者とわかった人には迅速に受けられるようにできないだろうか?

外出自粛とはいえ、家族と同居している人は家族に移していまう可能性が高いわけで、何らかの病気や怪我で病院に緊急搬送されるような事態になった時にも、PCR検査を受けていれば、受け入れる病院の体制も整えることができるだろう。

もう一つの問題は、感染してしまった人、その家族や会社などに対しての風評被害をなくすことだ。そういう恐れを抱いて、covid-19と疑われる症状があっても軽ければ、普段通りに過ごしてしまう人も少なからずいるのではないだろうか? クラスターを探すことより、感染している人が出たらその濃厚接触者を検査した方がいいと思うのだけれど。検査を行う医療者不足の問題もあるようだが、もう、保健所でPCR検査の差配をすること自体に無理が来ているんじゃないだろうか?