アンソロジーの楽しみ

北村薫さんの<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&bibid=02123353&volno=0000>『謎のギャラリー 名作博 本館』</A>(新潮文庫)読了。

小説を題材にして、空想の美術館を創ろうという企画が、<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_result_book.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&kywd=%C6%E6%A4%CE%A5%AE%A5%E3%A5%E9%A5%EA%A1%BC&ti=&ol=&au=&pb=&pby=&pbrg=2&isbn=&age=&idx=2&gu=&st=&srch=1&s1=za&dp=>一連の『謎のギャラリー』</A>だと述べられている。
この「名作博 本館」には、北村さんのアンテナがキャッチした様々な作品について、編集者との対話という形式で述べられている。
北村さんは、この本を
<b>これは《おしゃべりが作り出す、一つの空想上のアンソロジイ》なのです。</b>
と定義されている。

これらの本の”親本”では収録しきれなかった、入手困難な作品をも加えて、この文庫版は編まれているという。そのかわり、”親本”に儲けられていた解説をはずして、代わりに、各部屋には宮部みゆきさんとの解説対談が収録されている。
<b>ハードカバーをお持ちの方だけが読む部分があってもいいとも考え、その章は削ることにしました。</b>
という、北村さんの発言に見られるような、自分の本にかかわるあらゆる人々への”気配り”が、北村さんの人柄であり、作品の魅力ともなっているのではないだろうか。

3つの「部屋」=「謎の部屋」「愛の部屋」「こわい部屋」は、「名作博本館」で紹介されていた作品は、並行して読んでいる。どの作品も、北村さんが選んだだけあって、面白い。
その中でも特に印象に残っているのが、「遊びの時間は終わらない」(謎の部屋)、「狐になった夫人」(愛の部屋)、「黒いハンカチ」(謎の部屋)だった。残りの作品も、面白そうなので、少しずつ読んでいきたいと思う。

逆に、「名作博 本館」で名前が挙がっていても、3つの部屋には収録されていない作品もたくさんある。それらの方が入手しやすいということだそうなので、少しずつ探して読んでみたいと思う。

北村さんの著書からは、これまでにもいろいろなことを教わってきた。
今回はアンソロジーの楽しさを教えていただいた。