大琳派展 記念座談会「琳派の美を語る」

玉三郎さんが出席されるということで、ぴあで先行予約に申し込んだら、見事に当選。ということで、東京国立博物館へ。
玉三郎さんのほかに、京都の細見美術館の館長さんがゲストで、司会はこの展覧会の責任者である田沢裕賀さん。玉三郎さんと細見さんは、以前から親交があるとのこと。
玉三郎さんが琳派、とくに抱一に興味を持ったのは、源氏店のセリフが主なきっかけだったそうで、その後、細見さんのご両親と付き合いができて、細見家のお座敷で、たくさんの琳派の作品を間近で見る機会を得たのだそうだ。
細見さんのお母様の「どうせなら数を見なさい。美術は比較論なんだから。床の間にかけたのを見るのよ」という言葉が、印象的。ま、一般人には本物を間近で見るチャンスなんて、ほとんどないけれど。
座談会では、玉三郎さんや細見さんと、事前に打ち合わせをした時のお話をもとに、いろんな作品や、玉三郎さんの役の写真がスライドで見ながらのお話がメインで、玉三郎さんならではの、見方、洞察もいろいろとあって、面白かった。
座談会終了後、さっそく平成館2階の展示を見に行くと、入り口近くは、かなり混雑していたけれど、中に進むにつれて、展示の前の人影が少なくなり、抱一の作品は、けっこうじっくり見ることができた。
今回の展覧会では、同じ画題(たとえば、風神雷神図)を、年代順に並べて、その変遷を見る、という試みがいくつかあって、これも面白かった。並べてみると、其一はあんまり好きじゃないかも?と思った。
総合すると、一番いいなと思ったのは抱一だけれど、意外にも、琳派の墨絵や、色数が少ない作品が面白いというのを、今回の展覧会で知った。
座談会で紹介された、抱一の吉原十二ヶ月が出品されていなかったのが、残念。細見美術館に行けば見られるのかな?
せっかくなので、本館2階の安土桃山の能装束展示や、歌舞伎の衣装の展示も見てきた。こちらは、とても空いていて、好きなように展示が見られて、よかった。大きな企画展だけじゃなくて、こういう小さな展示や常設展もまた見に行きたいなと思う。
東京国立博物館
http://www.tnm.jp/jp/guide/map/honkan.html