行ってきました

勘三郎襲名、昼の部に行って参りました。とにかく、襲名披露のお祝いムードが隅から隅まであふれた歌舞伎座でした。序幕の踊りは、ウーン、勘太郎くんのキレのある踊りっぷりがお父様譲りだなぁと思ったくらいで、あとはねぇ・・・。福助さんて、何をやっても福助さんなんだよなぁ・・・。なんか、現代的過ぎるというか、なんというか。「俊寛」は、高麗屋さんがねぇ。昔から、このかたの歌舞伎が苦手なもので・・・。
いよいよお待ちかねの「口上」。今日は、この「口上」を見に行く為に出かけたと言っても過言ではなく、幕が下手から上手に向かって引かれて行くだけで、もうワクワク。左團次さんは、毎日ネタを変えていらっしゃるという噂だけれど、左團次さんの番になると、それだけで、場内から大きな拍手が沸くのは、それだけ皆さん、左團次さんの口上に期待していらっしゃるということなんでしょうね。今日はお尻の方から空気が漏れたときの話。又五郎さんがお元気そうで、又五郎さんの番が来たら、それだけで大きな拍手を贈ってしまった。本当に嬉しそうで、よかったよかった。玉三郎さんは、お名前の話題。この話は、何かのインタビューの折りに、勘三郎さんが話していらっしゃるのを読んだか聞いたかしたなぁ。仁左衛門さんの「口べたなわたしは、言葉ではこの思いを申し上げられないので、次の披露狂言をご覧下さい」というのも、仁左衛門さんらしくて、ステキ。そして、勘太郎くんは、短い言葉の中にも心がこもっていて、カッコイイぞ! 勘三郎さんの口上を聞いているうちに、ちょっとウルウルとしてしまった。高校生の頃からいままで拝見して来た勘九郎さんの舞台が、一瞬のうちに頭の中をよぎっていった感じ。12月の「桃太郎」の時には、目の前で当たり芸が披露されて行くという展開だったので、その流れに身をゆだねていた感じだったけれど、今日は口上を聞きながら、勝手に自分の中でいろんなシーンが浮かんでは消えて行った、というところでしょうか。ちなみに、高麗屋さんの他の人が口上を述べている間の形が、なんだか変な形に見えたのだけれど、わたしの偏見でしょうか?
襲名披露狂言の「一條大蔵譚」は、前半の作り阿呆のところが、愛嬌があって、笑ってしまった。雀右衛門さんは、もういるだけで光り輝いて見えた。これが芸の力なのかなぁ? たとえは変だけれど、鈴木その子はレフ版で強いライトの光を無理矢理集めて自分を輝かせていたけれど、雀右衛門さんは体の内側から光が湧き出ている感じ。又五郎さんといい、雀右衛門さんといい、本当にすごい。すごいといえば、小山三さんがお元気に役を勤めていらっしゃるのが、これまた嬉しい。そして、この役を小山三さんに、という勘三郎さんの心気持がいいなぁと。小山三さん、まだまだお元気で勘三郎さんや、勘太郎くん、七之助くんのことをしっかり見守ってくださいね!
幕間には、職場へのお土産に、襲名記念のどら焼きを買ったり、わたしにとっては恒例の襲名記念手拭いと扇子を買ったり、幕間も楽しい歌舞伎座だった。ブロマイドは、夜の部の日に買うことにしよう。