女房も同じ氏子や除夜詣

荒井文扇堂さんといえば、歌舞伎ファンなら「あ、勘三郎さんや三津五郎さんと親しい、仲見世の扇屋さんね」とピンとくるはず。そのご主人が、子どもの頃から身の回りで行われていた季節ごとのあれこれについてを書いた(どうも語り下ろしのような気がするけど)一冊。
知ってることも多少はあるけれど、多くは「へぇ〜、そういうことだったのね」とか、「そんなことをしていたの」ということ。
除夜詣と初詣の違いとか、針供養のもとは和歌山の淡島神社の釣り針供養だったとか、甘茶で墨をすってお習字をすると字が上手になるとか…。
芝居に関係することもあれこれ、出て来た。井戸さらいは七夕の日の昼間にやる、とか、昔の納涼歌舞伎では「弥次喜多道中」を出した、など。
いとうせいこうと共著の方も、持ってるはずなんだけど、どこかに埋もれちゃったんだよなぁ…。そのうち、ひょっこり出てくるだろう(苦笑)。

江戸・東京 下町の歳時記 (集英社新書)

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江戸のセンス ――職人の遊びと洒落心 (集英社新書)

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