文庫化が難しそうなシブイ本は、ちくま学芸文庫に

昨日に比べると、夜になってもだいぶ暖かい。午前中は、仕事で広尾。地下鉄ではかなり遠回りになるし、バスは路線がもうひとつよくわからないので、散歩がてら徒歩で出かけた。
だいぶ、秋も深まって来たのが、気配で感じられる。ちらっと見かけた有栖川公園の木々も、常緑樹以外は、だいぶ葉を落としている。

仕事が終わってから、広尾駅へ向かう。駅の近くに青山ブックセンターがあったのを思い出して行ってみるが、ビル全体の定休日のようだった。あまり時間もないので、地下鉄に乗り、仕事場へ。
車内では、新しい”地下鉄の友”は、山本夏彦さんの『やぶから棒』(新潮文庫)。
週刊新潮」に連載された「夏彦の写真コラム」をまとめたもので、写真入り。
こちらもまた、夏彦節全開!というところか。

家では、福田和也さんの『甘美な人生』(ちくま学芸文庫)を読書中。
解説は、なんと久世光彦さんだ(といっても、まだ読んではいない)。
元版は新潮社から出ていたのだが、さすがの新潮社も文庫化はできなかったようで、ちくま学芸文庫が収録したというのも、珍しい例かもしれない。
他にも、新潮社からは『日本の家郷』や『日本人の目玉』が出ているのだが、単行本を長期品切れにする折には、これらも新潮文庫は収録しないのではないだろうか。そうなら、ぜひとも、ちくま学芸文庫にその権利を譲っていただきたいものだ。
というか、福田さんの本に限らず、文春や新潮といった出版社が単行本を出していて、でも自社の文庫には収録しにくいものは、ぜひ、ちくま学芸文庫に文庫の権利を譲っていただきたいものだ。多少、他の文庫より値段設定が高めながら、ちくま学芸文庫なら、そういうシブイ本も、命を長らえることができるのではないか?もちろん、元の単行本を”長期品切れ”にせず、入手が可能な状態にしておいていただけるのなら、それはそれで構わない。

さすがに、新潮社や文藝春秋が、講談社文芸文庫や学術文庫に権利を譲るのは、いろいろと難しそうなので、そんなことを一読者として考えてみた。