鶴瓶噺@青山円形劇場

この劇場は、2度目。その昔、芝居を見に来た事が1度あったのだけれど、入り口の場所などすっかり忘れていて、グルっと半周してしまった(笑)。
ロビーにいたら、鶴瓶さんが楽屋入りするところに遭遇。周りにいた人たちがザワついていた。ロビーには、レギュラー出演している番組や、共演者からの花がいっぱい。でも、劇場のロビー自体が、なんとなくくすんだ感じなので、あまり華やかに感じられない。歌舞伎座というのは、本当にハレの場所なんだなぁと、変な所で感心しているわたしがいた(笑)。
途中、休憩があるのかと思ったら、2時間しゃべりっぱなしなんだ。このパワーはすごいな。全体の80%くらいは、フリートーク風の、まさに独りしゃべり。「この1年に起きた、本当の話なんですよ」というのを強調していた。日頃から、ネタになるようなことを無意識のうちにインプットするのが、当たり前になっているんだろうなぁと思う。そして、それを面白く脚色する能力が桁違いにあるのだろう。
80%のフリートーク風の部分は、とても面白かったのだけれど、しっかり演出が入った最後のネタの部分は、もう一つだった。先日、正蔵襲名の披露目で聞いた「青木先生」も鶴瓶噺から生まれたネタだそうだが、知人が「だって、毎年、あれやってるんだよ。もういいよと言いたくなるくらい聞いてるから」と言っていたが、そうやって何度もかけたことで、ネタがどんどん練り上げられて行っているのだろう。
今回のネタは、このままでは「青木先生」のような、落語会でもかけられるネタにはならないなぁと思った。演出の中に、大道具を使っている部分があるからな・・・。その部分に関して言うと、ちょっと年末恒例の「志の輔らくご」を思わせるものがあった。わたしが「鶴瓶噺」に期待していたのは「わたくし落語」だったので、ちょっと物足りなかった。でも「毎回同じというのも、つまらない」というようなことをご本人が言っていらしたので、たまには違うことがやりたくなるんだろうな・・・。
席が下手側の横向きのところだったので、鶴瓶さんがあまりこっちを向いてくれなくて、それも欲求不満の原因かもしれない。やはり、表情とかしぐさがきっちり見えないのは、辛い部分がある。