「県民寄席」立川談春・柳家花緑二人会@神奈川県民ホール小ホール

1週間前はかなり変!(いい意味で、ですよもちろん。)だった談春師匠は、今日は、なんか肩の力が抜けたような感じだった。会場はクラシックのコンサートが前提で作られているようで、落語をやるには、ちょっと響きすぎかな?という気がしないでもなかった。最初に、主催者たっての希望だという対談コーナーがあって、花緑師匠の今年の活動のあれこれを談春師匠がインタビューしていって、最後に、例の姉葉物件の話をここでも披露。なんか、話に磨きがかかっているような・・・(笑)。
番組は、

仲入り

の4席。
談春師匠の「黄金の大黒」は、初めて聞いたのではないか?と思う。人情噺もいいけれど、こういう爆笑ネタをかけた時の談春師匠も好きだなぁ・・・。ちょびっとしか出て来ないのに与太郎には相変わらず爆笑したし、べらんめえの乱暴者も勢いがあるし、良かった良かった。「夢金」は、談春師匠では何度も聞いている、好きなネタ。冒頭の、熊さんの「百両欲しい」で笑ったあと、舟が大川に出て行って、空から雪が舞い落ちる様を語っているところでは、いつも聞いているこちらまで、真っ暗な空に吸い込まれそうになる。中州に浪人を置き去りにするあたりの運びは、お手の物。冬の寒い夜に「夢金」を聞けるっていうのは、贅沢だなぁ。
「猫の酒」は、生で聞いたのは初めて。マクラを聞いて「ひとり酒盛」?と一瞬思ったのだけれど、隣のおかみさんが尋ねて来たので「違うなぁ・・・」と思ったのだった。「片棒」は、小朝師匠・正蔵師匠・いっ平師匠といった方々のを今までに聞いていて、お囃子の唱歌のところが一つのヤマだ。花緑師匠は、小朝師匠ほどたっぷりとではなかったけれど、鮮やかなお手並みだった。
お二人とも、県民ホール寄席には思い入れがあって(談志師匠が60代最後の独演会の高座に選んだとか、小さん師匠最後の独演会の高座がここだったとか)、そうか、ここはそういう場なんだ、ということをしっかり頭に刻みつけながら、駅への道を歩いた。