発掘された映画たち2022が期待以上にすばらしかった!

どんより曇り空が続き、夜には雨がパラパと降りだした。気温はちょうどいいぐらいで、湿度もそれほど高くなかったので、過ごしやすかった。

[歌舞伎] 発掘された映画たち2022

九代目團十郎と五代目菊五郎の「紅葉狩」の別バージョンのフィルムが見つかったことが話題になっているこの企画。他に林又一郎コレクション(初代中村鴈治郎の息子が個人的に撮影していたフィルム)の新発見もあり、国立映画アーカイブでの上映を楽しみにしていた。現存する中では最長という「紅葉狩」は、大映版よりも映像が綺麗。九代目團十郎、五代目菊五郎のすごさはもちろん、当時14歳?の丑之助(のちの六代目菊五郎)の山神がすばらしかった! 初代鴈治郎の動く姿は、今回初めてみたけれど、立派な押し出しだし、これが上方の芸なのか!というのを感じることができた。二代目鴈治郎長谷川一夫の若き日の姿も。さらに十五代目羽左衛門と六代目梅幸の「かさね」、六代目菊五郎の「鏡獅子」(いずれも大阪歌舞伎座)、初代扇雀(二代目鴈治郎)の人形振りの八重垣姫と初代鴈治郎人形遣い(狐も)による「本朝廿四孝」狐火などなど。当然、音は残っていないのだけれど、映像を見ていると地方や竹本、黒御簾の音が聞こえてくるようだった。これ以外にも新発見の舞踊の映像がたくさんあるとのことで、ぜひそれらも見てみたい。最後に後援会のイベントと初代鴈治郎の葬儀の記録映像が上映されて、当時の東西の名優に混じって、六代目歌右衛門が弔問に訪れている姿も。晩年と変わらぬアウラが既にあるのが目を引いた。林長一郎コレクションについては、早稲田の兒玉竜一教授による実況解説付き。いやぁ、いいものを見せてもらった!

発掘された映画たち2022 | 国立映画アーカイブ

[落語] 朝枝の会

「桃太郎」「岸柳島」仲入り「不孝者」朝枝。「不孝者」は久しぶりにこのネタを聞いたな、というわりと珍しいネタだと思う。旦那と番頭さんのやりとりは、「木乃伊取り」と似ているが、お供についていった飯炊の清造が先に帰ってきたのがバレて…というあたりから「あ、木乃伊取りじゃないな」と。朝枝さんの口演を聞いていた感じたのは、前半、堅い一方と思われる旦那に、柳橋に行ってから上の座敷から聞こえてくる息子の唄にダメ出しする件があるのは、その後の展開の伏線になってるのかな?ということ。「岸柳島」は、仲裁に入る年配の武士にもうちょっと貫禄が感じられるようになるといいかな?と。年齢を重ねていくことで良くなっていくでしょう。

[大相撲] うーん…

横綱はやっぱりまだまだ調子が戻っていないんだな、と思わず俵を踏み越してしまった足を見て思った。熱海富士が今場所は一日一番に集中しているみたいで、いい相撲を毎日見せてくれている。身体も先場所に比べてふた回りぐらい大きくなった???という。19歳、伸び代はまだまだいくらでもある若武者に期待。

Gyazo