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『とっておきの東京ことば』

落語や歌舞伎でお馴染みのことばは、なんとなくわかった気でいたけれど、実は冷や汗ものだったりするのを、教えていただく。 今、気安く「お疲れさまです」なんて言ったり書いたりしているけれど、これって、目上の人に使っちゃマズいんだ、なんていうのは、…

『志の輔らくご的こころ』

志の輔師匠のまくら&新作のエッセンスがいっぱい。最近になって入信?したので、知ってる話より知らなかった話が多いなぁ・・・。それにしても、あの忙しいはずの志の輔師匠の行動力と好奇心は、ホント、スゴい!志の輔らくご的こころ―ふしあなから見た作者…

『笑芸日記 一九九六ー二○○五』

やっぱりこの本は、途中までは前に出た本の再録であった。でも、すっかり忘れていたことがたくさんあったので、良しとする(汗)。笑芸日記 一九九六-二〇〇五 (ちくま文庫)作者: 高田文夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/06メディア: 文庫 クリック:…

『てけれっつのぱ』

なるほど、こうなっていたのね!という連作短編集。最初は無関係に見えた登場人物たちが、実はみーんなかかわり合っていたという構成は、途中で見えてくるのだけれど、なかなか面白く読めた。ただし、いくつか説明不足なところもあったけれど・・・。てけれ…

『御書物同心日記 虫姫』

いよいよ、丈太郎も年貢を納めるかと思ったのだけれど、またもや違った・・・。そろそろいいお嫁さんを貰えるといいのになぁ。御書物同心日記 虫姫 (講談社文庫)作者: 出久根達郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/06/15メディア: 文庫 クリック: 6回この…

『通崎好み』

「通崎好み」という展覧会の記録として作られた本。通崎さんの好きなモノや人が紹介されている。もっときものの話や写真が入っているのかな?と思っていたのだけれど、そういう話は意外に少なかった。エッセイとしては、『天使突抜一丁目』の方が面白かった…

『挿絵画家・中一弥』

銀座からの帰りの地下鉄で、あと数ページというところまでたどり着いたので、そのまま駅上のカフェで晩ご飯を食べつつ、読了。 90歳になっても、ご自分の画風を変えたい!という、そのバイタリティーに、圧倒される。池波先生の「剣客商売」や「鬼平犯科帳」…

『ちんちん電車』

最後の最後で、中断していたのを、やっと読了。「鉄道唱歌」の向こうを張って「電車唱歌」なる歌もあったんだ。今から見れば立派な“昔の東京”からさらに“昔の東京”を懐かしむ獅子文六。なんかイメージとしては“かわいいじいちゃん”だな。ちんちん電車 (河出…

『神田堀八つ下がり』

ウーン、相変わらず宇江佐さんは、上手い! 都々逸坊扇歌と、小普請組の三土路との都々逸合戦を描いた「浮かれ節」。名を問われて「姫じゃ」と言う、不思議な少女の身元を町方の親分が探し出す「身は姫じゃ」。その他の作品も含め、どれも味わい深い短篇だっ…

『樋口可南子のきものまわり』

さすが、女子美出身だけあって、センスがいいなぁ、樋口可南子。残念なのは、全体のコーディネイトがわかる写真が載っていない回があったこと。やっぱり、きもの本なんだから、そういう写真は欲しいなぁ。このところ、きもの屋さんに行っても、紬は見ないよ…

『笹色の紅』

あっという間に読了。おしゃあと庄八の恋、彼らをめぐる様々な人々。成島柳北も出て来たりして、幕末から明治の世の移り変わりと、その中でたくましく生きる庶民と成り上がり、旧幕臣などの姿が、活き活きと描かれていた。笹色の紅―幕末おんな鍼師恋がたり作…

『東京バンドワゴン』

いやはや、面白い作品だった。なんか、寺内貫太郎一家とか、ムー一族なんかを思い出すようなノリ。他の登場人物は、そんなことないのだけれど、我南人さんだけは、最初から内田裕也さんの顔が浮かんで来た。まぁ、裕也さんのことだって、そんなによく知って…

『紀文大尽舞』

いやはや、なんと刺激的な物語だったんだろう・・・。歴史って、正しいとされているものでも、絶対はないんじゃないか、と改めて考えさせられた。米村圭伍恐るべし! 他の作品も読まなくては!!紀文大尽舞 (新潮文庫)作者: 米村圭伍出版社/メーカー: 新潮社…

『歌右衛門合せ鏡』

最初に紹介されていた、歌右衛門さんの葬儀の時のエピソード(遺骨を持って、福助・松江(当時)兄弟が歌舞伎座に寄ったら、舞台に道成寺の道具が飾られていて、3階から大向うさんが声をかけてくれた)を読んで、もう、ウルウル。世代的に、決して間に合った…

『ぶぶ漬け伝説の謎』

北森さんの連作短篇シリーズは、どれも面白い。このシリーズにも、絵画修復や骨董、お料理といった他のシリーズで蓄積された蘊蓄が鏤められている。他のシリーズはシリアスなのだけれど、このシリーズは、コミカルタッチ。こんな風に、同時並行で違うタッチ…

『なめくじ艦隊』

帰りの地下鉄の中で読了。とっても悲惨な噺になりかねない、貧乏や満州のことも、志ん生師匠の語り口が飄々としているので、暗〜く重〜くという感じにならないところが、すごいなぁ。なめくじ艦隊―志ん生半生記 (ちくま文庫)作者: 古今亭志ん生出版社/メーカ…

『にわか大根』

近藤史恵の「猿若町捕物帳」シリーズも、これで3作目。どうやら、千蔭と梅ヶ枝の関係に進展がありそうな、終わり方・・・。 八丁堀の旦那と吉原の売れっ子花魁、はたしてどうなるのか、気になるなぁ・・・。にわか大根 猿若町捕物帳作者: 近藤史恵出版社/メ…

『風流冷飯伝』

米村圭吾、面白い! こういう時代小説もアリなんだと、目から鱗が・・・。『退屈姫君伝』もどっかにあるはずなのだけれど・・・。アー、積ん読の哀しさなのだ、こういうところが。 ところで、将棋は”指す”で囲碁は”打つ」なのだけれど、その理由は・・・。な…

『池波正太郎劇場』と『顔のない裸体たち』

『池波正太郎劇場』は、もう本当に残りちょっとというところだったので、帰宅途中に読み終えてしまい、今日買ったばかりの『顔のない裸体たち』を続いて読む。 近年起きた事件を、平野啓一郎が読み解いたもの。平野啓一郎という作家自体、読んだことがなかっ…

『深淵のガランス』

花師で絵画修復師が遭遇した、不思議な修復依頼とそこから始まる一連の事件。ここ10年ぐらいだろうか、修復師という仕事が日本で知られるようになってきたのは。藤田宜永さんが、たしか修復師を主人公にした小説を書いたなぁ(読んでないけど)と思って調…

『桜宵』

池袋に向かう山手線の中で読了。最後の1編は、いままでのシリーズとはちょいと趣向を変えていて、この辺も、北森さんの上手さなのかなぁ・・・と。桜宵 (講談社文庫)作者: 北森鴻出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/04/14メディア: 文庫 クリック: 5回こ…

『歌舞伎ちょっといい話』

実家からの帰りの私鉄の中で読了。よく知っている「ちょっといい話」もあったけれど、まったく知らなかった面白いエピソードもたくさんあって、楽しく読了。歌舞伎だけでなく、新派や落語などにまで話題は広がっていて、これから、毎月お芝居を見る前には、…

『昭和のまぼろし』

小林信彦さんの『昭和のまぼろし』読了。戦後60年、知らない昭和がたくさんあって、それを知らない人が増えて行くことで、これから起こるかもしれない、よくないことを小林さんは懸念している。というか、恐れているっていう方が、正しいかもしれない。 お笑…

『日本の芸談 邦楽・舞踊』

六代目菊五郎の『をどり』、五代目延寿太夫の『延寿芸談』、四代目小三郎の『翁草』、松本佐多『佐多女芸談』が1冊で読めるとは、なんてお徳なんでしょう!(もう一人、沖縄の役者・渡嘉敷守良の自叙伝も収録) やっぱり芸談、好き。

『半日半夜』

杉本秀太郎さんのお名前は、前々から知っていたのだけれど、本を読むのは初めて。最初に興味をもったのは、「考える人」のエッセイだった。その後、『京都スタイル』で杉本さんのお宅の保存のことを知り、ますます興味が湧いて来た。京都やパリでの日々の出…

『志ん朝落語』

榎本滋民さんといえば、劇作家であり、落語特選会の解説者。榎本さんのお芝居は、一度だけ三越劇場で見たことがあった。当時好きだった某役者さんが出ていたので、見に行ったのだったと思う。落語特選会は、落語のことなんて全然知らなかった学生時代、風呂…

『くらやみ砂絵』

収録作品も、もちろんどれもこれも面白かったのだけれど、北村薫さんの解説がまた、「うんうん、なるほど」「そうだよね」と、いちいち、ツボにはまったものであった。くらやみ砂絵―なめくじ長屋捕物さわぎ (光文社文庫―光文社時代小説文庫)作者: 都筑道夫出…

『きまぐれ砂絵』

いやー、面白うございましたよ! 落語をお題に、長屋のみんなが大活躍。「擬宝珠」なんていう珍しいネタもあって、なぜ?と思ったら、都筑さんのお兄さん(噺家さんで、早世されたのだそう)がやりたいと、ずっとさらっていらしたネタなのだそう。 落語好き…

『アイロニー?』

なんか、フラフラっと発売当時に買ってきた『アイロニー?』を読んでみる。いや、『きまぐれ砂絵』を持って出るのを忘れちゃったもんで、職場に積んであった中から、適当そうなものを探して、選んだのだけれど、これが結構おもしろい。 あの、石丸元章さんの…

『おもしろ砂絵』と『名手名言』

実家の往復で、『おもしろ砂絵』と『名手名言』を読了。 『おもしろ砂絵』には、タイトルを落語から借りた「はてなの茶碗」と、歌舞伎の外題にちなんだ「いもり酒」、若き日の九代目團十郎(まだ、権十郎時代)がからんでくる「楽屋新道」と、うれしい作品が…